米Intelが1月のConsumer Electronics Show (CES)で開発計画を発表した高品位テレビ用LCOS (liquid crystal on silicon)チップは、来年のCESまでにリリースという当初予定に間に合わなくなった。
ポール・オッテリーニ社長は1月に行ったスピーチの中で、コードネーム「Cayley」と呼ばれるこのチップを搭載したデジタルテレビは年内に出荷される見通しだと語っていた。しかし同社広報のシャノン・ラブ氏によると、Cayleyの年内リリースはないという。Intelでは最近、製品スケジュールの遅れが相次いでいる。
「顧客からのフィードバックに基づき、現在の製品は市場に投入しないことを決めた。画質の向上ではっきりと製品の差別化ができる技術の開発を目指す」とラブ氏。
Envisioneering Groupのリサーチディレクター、リチャード・ドハティ氏によれば、Intelはこれまでに1Mピクセル(1280x720ピクセル)版のCayleyチップを開発、テレビベンダー各社にサンプルを出荷している。
しかし、1Mピクセルデジタルテレビの市場は現在、Texas Instruments(TI)のDLP(digital light processing)技術が握っている。複数のベンダーがTI技術を組み込んだ高品位リアプロジェクションテレビを市場に投入済みで、Intelと同社チップを採用したテレビベンダーが、確立された市場でリードを広げるのは困難だろうとドハティ氏は指摘する。
それよりも、価格を抑えた2Mピクセル(1920x1080ピクセル)版のCayleyをTIに先駆けて投入する方が、Intelにとってのチャンスは大きいとドハティ氏。Intelが開発中の2Mピクセルチップは、同社のテレビ顧客が設計して認定を取得した1Mピクセルテレビに組み込むことが可能だ。これに対してTIの2MピクセルDLP技術はもっと複雑な設計が必要になる見通しだという。
Intelのラブ氏は、LCOS製品に関する現在および今後の計画についてはコメントを避けた。
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