メモリーテックは、同社が茨城県明野町に持つHD DVDの生産ラインを関係者に公開した。この製造ラインは同社と東芝が共同で開発したもので、一つのラインでDVDとHD DVDの双方が生産できる“コンパチ”ラインであることが最大の特徴。
どのように2種類のメディアを作り分けているのか、レポートしよう。
まずは、映像が収録されたDVDを例に、DVDの作り方を説明しておこう。
撮影・編集が終わった映像素材がマスターになるわけだが、そのマスターをガラス版にレーザーで焼き付け、さらに、そのガラス版から金属のマスターディスクを作成する。そして、そのマスターディスクを金型として樹脂製のディスクに内容を焼き付けるという行程でDVDは作られる。2層ディスクの場合には、データの書き込まれた2枚の樹脂製ディスクを張り合わせるという作業が、これに加わる。
この作業の流れ自体はHD DVDでも変わらず、「BCA(注)を追加する作業が発生する場合があることを除けば、製造過程はDVDとほぼ同じ。ディスクに用いる樹脂や、2層ディスク張り合わせ用の接着剤もDVDと同じものが利用できる」(同社)。
(注)BCA(burst cutting area)とはディスク中心に用意される領域で、ディスクごとにユニークなIDを記入することができる。
DVDと比べてHD DVDの方が、メディア表面の記録溝(トラックピッチ)の間隔が小さいために、金属製マスターから樹脂製ディスクを作成する際、多少時間がかかってしまうという。
だが、同社ではHD DVDディスク(2層30Gバイト)の作成に必要な時間を1枚あたり3.5秒まで短縮しており(同じ装置でDVDを作成した場合には、3秒/1枚で製作可能)、これは現在利用されている多くのDVD作成機器よりも短い時間だという。
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