7月末、太陽誘電の製造者認識コード(Manufacture ID)を不正に刻印したDVD-Rメディアが市場に流通した件について、DVD関連機器の相互認証作業などを手がける業界団体 RWプロダクツプロモーションイニシアティブ(RWPPI)は「IDの不正表記は、消費者の不利益となりかねない」と事態を懸念する。
記録可能なDVDメディアに含まれているIDは重複しないように刻印段階でメーカー間の取り決めが行われており、出荷時にはそのディスクの持つ特性情報などが記録されている。ドライブがメディアに書き込み作業を行う際、ドライブはIDを読み取ったうえで、そのメディアに最適な書き込み作業をするといった形で利用されている。
ところが、不正なIDが含まれているメディアを利用すると、ドライブは適正な書き込み作業を行うことができなくなる。「正しい書き込みスピードで記録できなくなるほか、記録作業中に停止してしまったりすることがある。また、記録できても、記録した映像にブロックノイズが乗ってしまうなどの現象が起こりうる」(太陽誘電)
「RWPPIに加盟しているメーカーが不正なIDを書き込むことはあり得ない」とRWPPIでは説明するが、今回、不正なIDが刻まれたメディアには明確にメーカー名を示す表記はなく、台湾ドメインのURLが記載されているのみ。誰がどのような意図でこのような偽装をしたのか、今のところ詳細は不明だ。
また、日立マクセルも海外産のDVD-Rに同社IDが不正に利用されたことを確認しており、詳細を確認中だという。ちなみに、同社はDVD-Rに関し、自社で国内生産したものを自社ブランドで国内販売する事業しか行っていない。だから海外産DVD-Rに同社のIDが刻まれていることはありえないと話す。
RWPPIは、7月に台湾でDVDの記録互換性テストに関するセミナーを行っており、RWPPIに参加していない台湾メーカーとも交流を深めている。RWPPIでは今後もこうした交流活動を継続していく予定で、国内メーカーだけでなく、海外のDVDメディア製造メーカー全体に向け、適正な製品の製造を推奨していく方針だ。
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