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アテネ後もミテネ〜低価格“液プロ”シアターの愉しみ劇場がある暮らし――Theater Style(2/3 ページ)

» 2004年08月27日 23時53分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 といいつつ、現在は昼間や普通のテレビ番組視聴には、23インチのハイビジョン対応液晶テレビを使っているのだが、両方合わせても30万円程度のもの。コストの面でも、使い勝手の面でも、あるいは、占有面積や重量の面でも十分に満足している。

 話を戻そう。LVP-10000の時代には、DVDプレーヤー(初めはLDプレーヤーが主だったが)からSビデオ出力し、PRINCETONのPSC-1000でアナログRGB出力に変換していた。プログレッシブスキャンコンバーター(あるいはラインダブラー)というやつだ。いまではDVDプレーヤー自体がプログレッシブ出力対応なので、TH-AE500へコンポーネント接続すればいいのだが、前述のとおり、表示されるDVDの画質はいまいち納得のいくものではない。LVP-10000でS/コンポジット入力時の映像変換品質に不満が感じられたのと同様に、プロジェクター側の映像処理の弱さが理由なのか。

DVI端子に注目

 映像処理回路にも力を注いだ高価なプロジェクターと高価なDVDプレーヤーの組み合わせなら、不満も感じないのだろう。しかし、それ以外の方法を見つけたい。そこで目をつけたのがDVI端子だ。映像処理がうまくないなら、A/D変換やスケーリングの必要がなくダイレクトに表示可能な信号を入れてやればいい。実売20万以下のプロジェクターの購入を検討した当時、比較対象となったのはサンヨーのLP-Z2やエプソンのEMP-TW200。特にEMP-TW200は迷ったが、選ばなかったのは、DVI端子非装備だったからという理由も実は少しあった。

photo TH-AE500はDVI端子を装備(接続されているのがDVI-D端子)

 最近の多くのプロジェクターには、HDCP対応DVI、またはHDMI端子が装備されている。TH-AE500のような低価格製品でも例外ではない。DVDCCA(DVD Copy Control Association)という協会の規格では、DVDプレーヤーがデジタル映像出力を行う場合には暗号化などのコンテンツ保護処理が必須と決められている。そのため、大手AV機器メーカーでは、信号出力/入力の双方でHDCP(High-Band Width Digital Content Protection)の導入を拡大中だ。

 しかし、表示機器はともかく、DVDプレーヤーにはHDCP対応DVIやHDMIを備えた製品はまだ少なく、価格も10万円以上が相場。デノン「DVD-1910」(8月30日発売予定)が、HDCP対応製品としては破格の46,200円で登場し、状況は変わりつつあるが、価格がこなれるのを待っていられない人々は、すでに別の手段を模索している。インターネット上で多くの人が実践報告しているように、DVI出力を備えたPCでのDVD再生、または、大手AV機器メーカーではない各社が発売している、HDCP非対応DVI(というか、普通のDVI)出力つきDVDプレーヤーを利用する方法だ。

PCでのDVD再生を高画質に

 PCでのDVD観賞に関しては、あまりよい印象を持っていない人もいるかもしれない。コマ落ちするのではないか、カメラがパンするシーンで映像がズレるのではないか、と。たしかに、CPUやグラフィックチップの性能が不十分な時代にはそういうことが多々あった。しかし、いまではハードウェア構成さえ整えれば(相性など意外と難しいのだが)、そうした問題は生じない。当然ながら、通常のDVDプレーヤーと同様に、音声もデジタル出力してやればサラウンド再生できる。

 ただし、高画質を得るためには、条件が1つある。それは表示デバイスとまったく同じ解像度で出力してやるということ。いわゆる、ドット・バイ・ドットでの表示だ。TH-AE500の液晶パネルは1280×720画素なので、それと同じ1280×720の画面モードが必要となる。TH-AE500ではVGAやXGA、あるいは1280×768といった画面モードでも受け付けてはくれる。しかし、この場合、プロジェクター側で変換処理が行われるので意図から外れてしまう。1280×720モードを素直に出せるグラフィックチップも多くなってきたが、PowerStripというシェアウェアを利用して解像度作成しなければいけない場合もあれば、まったく対応していない製品もあるので、注意が必要だ。

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