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アテネ後もミテネ〜低価格“液プロ”シアターの愉しみ劇場がある暮らし――Theater Style(3/3 ページ)

» 2004年08月27日 23時53分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 もちろん、DVDに記録されている映像は720×480なのだから、本来なら、720×480のパネルを使用したプロジェクターでドット・バイ・ドット表示すれば、スケーリング処理は介在せず、ベスト品質が得られるはずだ。しかし、ハイビジョンも観るなら720×480では不十分というわけで、現在は1280×720のパネルが主流となっている。そんなわけで、スケーリングは不可避であり、プロジェクター側の性能が不十分なら、PC側で映像処理すればいい。DVDプレーヤーとは異なり、ハードウェアのアップグレード、さらには再生ソフトウェアの変更やバージョンアップにより、表示品質を上げていけるのもPCの優位点だ。

 DVD再生ソフトウェアは、「PowerDVD」「WinDVD」あたりが有名どころで、バージョンアップを重ね、それなりに熟成されている(完全とはいえないが)。ただ、ほかにも選択肢はいくつかある。特に、“ホームシアター愛好家向け”を謳った「TheaterTek DVD」は、再生映像に自信を持っているようだ。TheaterTekのサイトから8419円でダウンロード購入できる(英語版のみ)。昨年購入して以来、たまに使っているが、表示はたしかにいい。画面の表示サイズや位置も細かく指定可能なので、非スクイーズ・ワイド画面収録のコンテンツを観るにも適している。ただ、ハードウェア構成によっては、音がずれたり、コマ落ちしたりと、なかなか難しいソフトであることも事実。導入当初は安定せず、かなり試行錯誤した。

 というわけで、いまのところはPC+液晶プロジェクターでDVD再生を楽しんでいる。以前使っていたDVDプレーヤーで不満だった点は解消され、落ち着いて観ていられるレベルの画質を確保できた。しかし、PCならではの短所も。それは「飛ぶ」可能性があること。試行錯誤を繰り返し、安定した動作に持っていけても、絶対に飛ばないとはいえない。映画を観ている途中で“クラッシュ”というのは、かなり興ざめだ。それに画面モードだ、再生ソフトの相性だのと環境構築までに面倒なことは多い。

 それならば、DVI出力のDVDプレーヤーを使うのはどうだろう?

 実は以前にMOMITSU「DVD-V880」も買ってみた。この製品はDivXファイル再生対応DVDプレーヤーとして1年以上前から販売されているが、DVD映像のDVI出力も可能な点がミソ。CD-R経由でのアップデートもでき、最新ファームウェアなら細かい設定を行わなくても「720P/60Hz」でのDVI出力モードが用意されている。ただ、ドット・バイ・ドット表示はできても、なにしろ2万円以下という安さなので、購入前にはビデオスケーリング(480P→720P)の品質を心配したが、それは無用だった。PCほどの苦労なしに、ほぼ同レベルといってもいい映像が得られる。ただ、さすがに、リモコンなどの出来はよくないが……(ないよりはマシか)。

photo MOMITSU「DVD-V880」の設定画面

 では、実際にどの再生環境を使う頻度が高いのか、と思われるかもしれない。実はもったいぶって紹介した「TheaterTek DVD」でも、「DVD-V880」でもなく、「PowerDVD」を使う機会が多い。最新バージョンでは、表示品質も「TheaterTek DVD」とさほど大きな差はなく、なにより、IFOモード再生が便利なのだ。IFOがなぜ必要かは明言してはいけないのだろうが……(あくまで、キャッシュ的な意味合いでゴニョゴニョゴニョ)。

 ただ、以上で述べたのはあくまでも個人的な環境であり、選択はさまざまだ。インターネットで検索すれば、ここで書いているよりも、よほど詳細で、有益な情報が得られるだろう。ぜひ、それらを参考に、試行錯誤を楽しんでほしい。

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