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iPodより体力あります――24時間働けるHDDプレーヤー「Zen Touch」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年09月09日 16時35分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 同梱のヘッドフォンは相変わらず、中高音に比べて低音が弱いという悪名高い(?)MuVoシリーズのそれと同タイプのもの。インナーイヤー部分が大きいため装着感もイマイチで、色も一昔前のPCのようなオフホワイトでボディカラーとのバランスも悪い。

photo 左はソニー“耳栓型”「MDR-EX71SL」、右が同梱ヘッドフォン

 まあこれも「とりあえず同梱しましたが、自分好みのヘッドフォンをお使いください」というクリエイティブの優しさと解釈。筆者愛用のソニー“耳栓型”「MDR-EX71SL」に変更したら、とても聴きやすくなった。97dBと高S/N比を誇るそのサウンドは、クリエイティブ製品らしくクリアで高音質だ。

未完成のタッチパッドは今後に期待

 ディスプレイは、視認性に優れた2インチ青色ELバックライトを搭載。かな漢字のタイトルが全角で12文字分まで表示でき、再生リスト時も6曲分が1画面に表示されて非常に見やすい。白系のボディにブルーグリーンのバックライトも個人的には好みだ。

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 操作ボタンは前面に7つ、左側面に3つ(電源/音量UP/音量DOWN)と多いが、ボタン自体がデザインと一体化されているためスッキリ収まっている。前面の独立した機能ボタン(戻る/MENU/RANDOM/トラック戻り/再生・一時停止/トラック送り)は、直感的な操作ができて非常に便利だ。

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 そしてZen Touchでは新たな試みとして、静電式のタッチパッドコントロールを装備。iPodと同様に片手でのイージーオペレーションを可能にした。

 前面中央下部の少しくぼんだ部分がタッチパッドとなっており、上下に親指をスライドさせることで曲のスクロールなどが行える。タッチパッドの上部/下部を長押しすることで、高速スクロールも可能だ。

photo 少しくぼんだ部分が静電式のタッチパッドになっている

 ディスプレイ上に縦に並んだ曲名のスクロールは、タッチパッドの上下動作が上下スクロールになるので、左右の回転動作で上下スクロールさせるiPodに比べてより直感的で使いやすい。ただし、1〜2曲だけほんの少し上下に動かすような微妙な操作が難しく、慣れないうちは目当ての曲をなかなか選べなかった。タッチパッドを叩く動作で1曲だけ上下するようにするなどの改善が求められるところだ。

photo ほんの少し上下に動かすといった微妙な操作が難しい

 PCインタフェースは高速なUSB2.0に対応。USB端子は本体上部に用意され、USBバスパワーで本体の充電も行える。同梱ソフト「Creative MediaSource」を使って音楽CDからのリッピングや転送などが行えるほか、同じく製品にバンドルされる「Creative NOMAD Explorer」をインストールしたPCではZen Touchを外付けHDDのように扱える。ただし、iPodのようにUSBストレージクラスには対応していないので(ドライバーソフトのインストールが必ず必要)外部ストレージとして会社でも家でも使いたいというユーザーには少々不便かもしれない。

photo USB端子は本体上部に用意。USBバスパワーで本体の充電も可能

 現在、Zen Touchは2万円台後半〜3万円弱で販売されており、3万円台前半の第4世代iPod(20Gバイト)より5000円前後安く購入できる。だが“安かろう悪かろう”では決してなく、その質感もiPodと十分競合できる仕上がりになっている。

 24時間働ける体力に魅力を見出したユーザー、スペック上のサイズよりも実際のフィット感を求めるユーザー、音楽ライブラリーをWMAで構築している筆者のようなユーザーには、Zen TouchはiPodよりも魅力的な製品になることだろう。

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