文化庁 文化審議会著作権分科会 法制問題小委員会の第2回審議が行われた。8月に行われた第1回の審議では、主査の選出と今後の検討方針についてなどが話し合われたが、2回目となる今回は、関係各団体から提出されている著作権法改正に関する要望が議題に乗せられた。
各団体から寄せられている著作権法改正についての要望は多岐に渡る。文化庁によれば、大まかに分けても「著作権の定義」「著作者の権利」「著作隣接権」「著作権等の制限」「保護期間」「侵害と見なす行為等」「紛争処理」「裁定制度・登録制度・契約など」「その他」に分類されており、項目数は143にのぼる。
これらはあくまでも関係各団体から文化庁へ提出された「要望」であり、すべてが改正著作権法に取り入れられるわけではない。しかし、要望の詳細を見ていくと、「ブロードバンド回線を利用した映像配信を著作権法上の有線放送であることを明文化して欲しい」(現在は「電気通信役務利用放送」とされており、CATVなどとは明確に区別されている)といった要望のほか、「私的複製の範囲を“個人的に利用する場合”に限定して欲しい」など、私的複製について厳格な運用を求める要望なども含まれている。
輸入レコードの還流防止措置については、「措置の対象を国内で最初に固定したものに限定するなど、法律上邦楽レコードのみに限定するべき」「措置対象期間の法律上の上限を6カ月に」「措置自体を時限措置とするべき」「他の著作権物などについての還流防止措置創設には慎重であるべき」などの要望が寄せられている。
次回の審議は11月2日に予定されているが、審議参加者は今月下旬をめどに、こうした要望を、著作権法改正に向けてどのように反映していくべきかを検討し、小委員会へ提出することになっている。
主査を務める東京大学教授の中山信弘氏は「何を問題点として抽出するか。意見者の数に左右されないよう、問題の趣旨や意図を的確にとらえ、検討して頂きたい」と、少数意見にも留意するよう参加者に注意を促した。
また、文化庁では還流防止措置について、どれだけの期間を還流防止措置期間として定めるべきかについて、パブリックコメントの募集を開始した。なお、期間について文化庁では現時点で「4年」を提示しているが、「6カ月以内に」という意見がエイチ・エム・ヴィ・ジャパンから文化庁に寄せられており、大きな隔たりがあるといえる。
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