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世界最速5.5ms! 地デジ対応の32Vおよび23V型「FORIS.TV」が発表(2/2 ページ)

» 2004年09月30日 20時50分 公開
[大出裕之,ITmedia]
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 映像技術開発部・開発マネージャーの橋本雅之氏は「製作者の意図を忠実は表現を追究するため、静止画で培ってきた考え方をベースとして、作りすぎない、ナチュラルな表現にこだわった」と、第一弾のFORIS.TV同様の開発思想で望んだとを述べた。

 液晶パネルやプラズマは、ブラウン管と異なり画素数が固定されている。ナナオでは、入力信号適応型可変フィルターを使用して映像劣化の原因となる折り返しノイズを大幅に削減した。そしてこのフィルターを通ったものをスケーリングに送る。その際、最終的に映し出すべき液晶パネルの解像度が1280ピクセルなので、拡大スケーリングする必要を省くため、1920ドットでオーバーサンプリングし、それを整数で縮小することで、解像度劣化を減らし、パネルへの理想的な出力を行っている。

周波数対応型フィルターとサンプリングの流れ
左が通常のテレビのシャープネス。今回のFORIS.TVで搭載した回路を通った映像
映像技術開発部・開発マネージャーの橋本雅之氏

 また、応答速度の向上についての説明があった。ただ、液晶の応答速度だけをいくら速くしても、動画のボケは改善することができない。そこで別途どういう技術を投入するか、ということになる。

 下記の棒グラフは、最初の階調から変化した次の階調の変化地点までにかかる時間をあらわしている。短いほど、到達時間が速い。今までのチューニングでは、ここまでだった。

代表的なCRTおよびプラズマパネルの応答速度と、液晶パネル(SC23XA1)の比較

 「VT32XD1」ではIPS液晶を採用したが、応答速度を向上させるためにナチュラルオーバードライブ回路を採用した。オーバードライブとは電圧波形を強めにかけることで、これにより、応答速度を向上させる。ナナオの場合、オーバードライブをかけすぎないようナチュラルなチューニングを施しているとのことだ。これにより、12msまで応答速度を向上させた。

補正しない場合の「VT32XD1」の応答速度
ナチュラルオーバードライブで補正した場合の「VT32XD1」の応答速度

 「VT23XD1」は、世界で初めてOCB液晶の実用化に成功したモデルとなる。立ち上がりが4ms、立ち下りで1.5msと、あわせても5.5msという超高速な応答速度の特性がある。

 ただ、いくらパネルが高速になっても、人間の目に残る残像を改善しない限り、実際の動画のボケを改善することはできない。ブラウン管では走査線が動いたときだけ光っているため、次の光が来る前に前の残像が終わっていてボケが見えない。それに対し、液晶はホールド駆動しているため、残像が残ってしまってボケ感が出てしまう。

 そこで、「VT32XD1」と「VT23XD1」では、黒挿入技術を採用した。意図的に電圧波形の後に黒を挿入することで液晶の残像効果を消し、くっきりとした映像を表現できるとのことだ。

「VT23XD1」で採用したOCBパネルの応答能力
ホールド駆動によって発生するボケ
黒挿入により擬似インパルス駆動を実現
黒挿入により残像が軽減する
黒挿入により、動画応答速度も改善される

「SC23XA1」にカラバリ、発売キャンペーンも

 また最初に登場したFORIS.TV「SC23XA1」には、新たにレッドとグリーンのカラーバリエーションが設定された。発売日は2004年10月1日で、価格は現行製品と同様で税込み24万7800円。

「SC23XA1」の新カラーバリエーション。左がレッド、中央がグリーン

 新製品発売に伴うキャンペーンも実施される。対象商品はFORIS.TV全製品。2004年10月1日〜12月31日までの期間中にFORIS.TVを買った人にもれなく、イタリアのキッチンウェア・ハウスウェアブランド「ALESSI(アレッシイ)」の隠しアイテムがプレゼントされる。詳細はFORIS.TV専用サイトで確認してほしい。

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