日立はレイア姫にまた一歩近づいた。
日立製作所は、遠隔地にいる人の映像を3D表示し、会話もできる立体映像ディスプレイをCEATEC JAPAN 2004の同社ブースで展示している。
「スターウォーズのレイア姫の映像がR2-D2から投影されるやつを作りたい」と、同社が2月に発表した「Transpost」(トランスポスト)の進化版。360度どこからでも立体映像が見られる。
仕組みは以下の通りだ。被写体の周りをぐるりと囲むように24枚の鏡を置き、鏡に映った映像を、天井側にある4台のカメラで分担して撮影。この映像を4台のプロジェクターに伝送し、回転スクリーンに投影することで立体表示する。
2月の発表時、撮影系はみかん箱程のサイズ。被写体は小さな人形程度ものしか置くことができなかった。今回は人間一人が被写体として入れるサイズに大型化。1台だったカメラとプロジェクターはそれぞれ4台ずつに増やし、大きな被写体を撮影・投影できるようにした。
撮影系はブース裏に設置。ずらりと並んだ鏡の真ん中にコンパニオンが座り、ブース説明のナレーションを行っている。撮影系・投影系双方にスピーカーとマイクを装備。コンパニオンと来場者の会話も可能だ。
「歌手の立体映像のライブ中継や、TV会議などで利用できる。今の設備では胸から上くらいしか投影できないが、全身を投影できるようにしたい」(開発者で同社人間・情報システムラボの大塚理恵子さん)。
パイオニアも立体表示装置を参考出展している。正面と斜め2方向の計3方向から立体視でき、映像に触れると映像が切り替わるのが特徴だ。
3枚の液晶ディスプレイの手前に、多数のレンズを密集させたパネル「3Dレンズ」を設置。レンズの手前の空間で画像が結像し、飛び出しているように見える。画像自体は平面だが、コントラストを高めたり、遠近画法を活用して描画するなどして、立体であるかのように見せている。
「従来の視差を利用したものよりも目が疲れにくく、コンテンツも作りやすいのがメリット。視野角は狭いが、『カップルが顔を寄せて見られる程度』は確保している」(説明員)。
結像部の真下に赤外線センサーを設置。画像に手を触れようとすると、画像が切り替わるようにした。
「映像に触れるとドアが開くアミューズメント施設のアトラクションや、新しい広告媒体として利用できるのではないか」(説明員)。
ちなみにパイオニアも「レイア姫を作りたくて」(説明員)この装置を開発したという。「3Dやっている人は、みんなレイア姫にあこがれていると思う」(説明員)。
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