10月8日〜10月10日にわたって開催された「F1日本グランプリ」。台風の影響で8日のフリー走行も十分にできず、9日の公式予選は中止。10日の午前中に予選、午後に決勝と変則の開催になったのはご存じの通りだ。
このF1だが、IT系企業がスポンサーとして名前を連ねるチームは多い。HPはBMW.WilliamsF1Teamの主要スポンサーとして2000年から活動しているが、今回、F1日本グランプリに合わせて来日した、HP グローバル・スポーツ・スポンサーシップ担当ディレクターのアンドリュー・コリス氏に話を聞くことができたので、HPのスポンサーシップについて語ってもらった。
「HPは10年ほど前から、どのようなスポンサーシップが、HPの顧客にとって適切かを考えてきました。なぜF1を選んだかと言えば、F1は『テクノロジー・スポーツ』と考えられており、F1のDNAそのものにテクノロジーが存在するからです」
「F1は1年のうち8カ月もの間、世界各国で開催されます。そして世界中のテレビで放映され、推定で1億6000万人もの視聴者が存在するわけです。地理的な広がりだけでなく、コンシューマーからビジネス層まで幅広いユーザーが視聴します。F1と同様のプレゼンスを確立できるイベントは他にはありません。かつてワールドカップのスポンサーとなったこともありましたが、『テクノロジーの企業である』ということを示すためには、F1のほうがより強力な機会を得られると考えています」
「ところで、なぜBMW.WilliamsF1 Teamを選んだかと言えば、BMWは非常に重要なグローバルブランドですし、Williamsという名前も、これまで16回にわたりチャンピオンシップタイトルを取るなど、強力なエンジニアリングを持ち、テクニカルかつテクノロジーのチームであると記憶されているからです」
「では、実際にスポンサーとして何を行っているかと言いますと、HPの目的はあくまでも、チームに対して競争における優位性を提供することなわけです。車体設計、性能管理、製造、運営面の改善といった物理的側面だけでなく、マーケティングを含めたチームの運営まで、あらゆる側面でサポートしています」
「製造過程では、HPのスーパーコンピューターが空気力学、構造解析、衝突解析、流体力学といった分野でもちろん活躍します。HPのスーパーコンピューターを投入することで数日かかった開発期間を短縮し、一晩でできるようになりました。このほかチャートが大量に必要になりますので、そこでもHPのプリンティング技術が活用されています。エンジニアリング関係でも、先ほど述べた開発期間を短縮することのほか、セキュリティトレーニング、ロードマップの作成など、チームの業績面で貢献しています」
「実際のレース開催期間では、世界で行われる18回のレースだけでなく、38回行われるテストにもHPのサービスチームが参加しています。内容は、データ収集やモバイル・データセンターの構築です。ノートPCやTablet PC、iPAQといったデバイスのほか、HP ProLiantサーバやストレージを持ち込みますが、ワイヤレス環境でのソリューションとなります。ワイヤレスのほうが設定や解体が素早く行えるからです」
「F1を通した活動によって、世界的ブランドとしての価値が向上すると考えています。これは、どのような会社にとっても重要なことです。製品だけでなく、ソリューションやスタッフの優秀性を実証できれば、エンタープライズ環境には強い働きかけとなりますから。また、CMなどでもご覧になったことがあると思いますが、パートナーシップを紹介する『+hp』キャンペーンでの重要な役割を担っていることは間違いありません」
「今後についてですが、F1開催地域も、今年開始された中国だけでなく、バーレーン、トルコ、インド、ロシアといった、HPにとっても戦略的に重要な地域へ拡大しようとしています。これはHPにとって大きなチャンスでもあります。HPとBMW.WilliamsF1 Teamは今後も協力して、チームの技術的能力を拡大していきます。スーパーコンピューターのキャパシティも増強する予定です」
「チームの成績は、今年は厳しい結果となっていますが、多少の上下変動は認識しないと。BMW.WilliamsF1 Teamは挑戦者です。Williamsの新しい風洞には期待してください。2005年の車体には、大きな効果がもたらされると考えています」
「いずれにしても、スポンサーシップとして力を入れているのはF1です。期限は言えませんが、パートナーシップの延長も行いました。HPのビジネスチャンスは、F1によって拡大していくのです」
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