デノンは、AVサラウンドアンプの新しいフラグシップモデルとなる「AVC-A1XV」を11月上旬に発売する。価格は69万3000円。
AVC-A1XVは、同社の最新技術と最高のクオリティを詰め込んだ“プレミアムシリーズ”に位置する一体型サラウンドアンプ。デノン独自のサラウンド回路「New D.D.S.C.デジタル」(D.D.S.C.はDynamic Discrete Surround Circuitの略)には、新たに32ビットDSPを採用したほか、アドバンスドAL24プロセッシング、192KHz/24bit高性能D/Aコンバーターなど新しいフィーチャーを取り込み、大幅にブラッシュアップを図っている。設計コンセプトは「コンテンツ製作者の意図をありのままに再現」させること。DENON LINKやIEEE1394端子など充実したデジタルインタフェースをはじめ、THX ultra 2への対応、マルチゾーンシステム(後述)、新開発のアナログビデオスケーラー、DVI/HDMIビデオセレクターなど多彩な機能を備えている。
パワーアンプ部の定格出力は10ch×170ワット。実用最大出力は275ワットで、パワーアンプアサイン機能により、複数のゾーン(部屋)に個別のソースを出力するなどマルチな使い方ができる。たとえば、シアタールームだけで使うなら9.1chサラウンド。あるいはリビングルームと書斎など2カ所の場合なら5.1ch×2といった構成も可能だ。プリアウト端子は、メインゾーン用とそのほかのゾーン用を合わせて合計22ch分が用意されており(メインゾーン用10ch、ゾーン2用6ch、ゾーン2用2ch、ゾーン3用2ch、ゾーン4用2ch)、最大4ゾーンにまで対応する。
このパワーアンプを支えるメイン電源部は、専用の大型トロイダルトランス、大容量ブロックコンデンサー、高速・高精度のショットキーバリア型ダイオードなど「厳選した高音質パーツにより構成されている」(同社)。このメイン電源ブロックから安定した電源の供給を受け、パワーアンプは高い信頼性を確保したという。
対応するサラウンドフォーマットは、Dolby Digital、Dolby Digital EX、Dolby Pro Logic IIx、Dolby Headphone、DTS-ES、DTS96/24、DTS、DTS Neo:6、AAC、HDCDなど。THX/THX SURROUND EX、THX ultra 2規格に対応したため、ソースに合わせて「THX ultra 2 Cinemaモード」や「THX Musicモード」「THX gameモード」を活用できる。
また、DENON独自のDSPサラウンドモードでは、2ch以上のすべての信号ソースで最大9.1chのシステムを構築可能だ。Dolby DigitalやDTSなどの5.1chソースにエフェクトスピーカーの効果をくわえる「Wide Screenモード」をはじめ、全てのサラウンドモードでサラウンドバックをくわえた9.1ch再生を楽しむことができるという。
なお、セットアップには、付属の高性能マイクを使ってスピーカーとリスニングルームの特性を測定し、スピーカーの基本的な設定を行なう「オートセットアップ機能」と、リスニングルームの周波数特性を最適化する「ルームEQ(イコライザー)機能」が利用できる。
インタフェースも多彩だ。ビデオ入力は、3系統のHDMI入力端子と1系統のDVI入力のほか、4系統のD5端子、RCAピン、BNCコネクタ各1という計6組のコンポーネントビデオ入力を備えている。ビデオ出力には、HDMI×1、DVI×1のほか、同時出力可能な2組のコンポーネントビデオ出力(1組はD端子、1組はBNCコネクタ)、さらにゾーン2向けとしてコンポーネントビデオ出力(RCA)を備えた。
HDMI/DVIセレクターとして、またD5対応のコンポーネントビデオセレクターとしても利用できるほか、ビデオアップ/ダウンコンバージョン機能も搭載。コンポジットおよびSビデオ信号をコンポーネントビデオへ、またコンポーネント信号をコンポジットおよびSビデオ信号に変換することが可能だ。
オーディオ入力は、DVD-Audioなどのマルチチャンネルソースを直接デジタル入力できる「DENON LINK」をはじめ、アナログのマルチチャンネル入力なども備えている。オーディオ出力は、IEEE1394×2系統など。
本体サイズは434(幅)×505(奥行き)×280(高さ)ミリ。重量は44キロ。明るさを3段階で調整できるELタイプの学習リモコンが付属する。
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