「スゴ録」と「PSX」の開発チームが統合されたことで、秋の新製品では両シリーズが多くの機能を共有することになった。とくに録画の部分ではこの傾向が強く、EPGの番組情報を活用した「スポーツ延長対応」や「番組追跡録画」は両シリーズ共通だ。ただし、2つのシリーズが同じ道を歩むのかといえば、そうではない。
ソニーマーケティング、ホームネットワークプロダクツマーケティング部Home Video MK課の神澤真由氏は、「スゴ録は高画質回路の“スゴロジック”に代表されるような高画質指向に。一方のPSXは、“x-アプリ”などエンターテインメントの方向にふった」と話している。基本となる録画機能は共有しつつ、据え置き型のスゴ録と、PS2のEE+GS(PS2のEmotion EngineとGraphics Synthesizerを1チップ化した)を搭載するPSXは、それぞれの強みを発揮できる方向でも強化していく構えだ。
新PSXに導入された「x-アプリ」は、自動録画機能の「x-おまかせ・まる録」、写真から動画を自動作成する「x-Pict Story」、HDD内にある音楽を自動演奏する「x-DJ」の3種類。読んでわかるように、共通するキーワードは“自動”だ。「テレビ番組、写真、音楽といった素材を入れると、x-アプリがアレンジして2倍も3倍も楽しめる。自動で動くのが、今度のPSX」。
「x-おまかせ・まる録」は、「コクーン」チャンネルサーバーに搭載された「おまかせ・まる録2」をベースにした自動録画機能だ。ユーザーが設定したジャンルやキーワードを元に、EPGの番組情報から適合する番組を選び出して自動的に録画してくれる。
新PSXには、9つのカテゴリに分類された60個のキーワードがプリセットされている。さらに「ビジネスマン必見」「流行スタイル」「ビッグイベント」など、番組のジャンルを超えて使われそうな言葉を「プレミアキーワード」としてチョイス。「どのような番組が自動録画されるかは人それぞれ。何が録画されるか分からない、遊び感覚のキーワードを設定してみた」(同社)。
もちろん、ユーザーが任意のキーワードを入力することも可能だ。その際、ジャンルやサブジャンルを指定して録画番組を絞り込めるほか、新たに「除外ワード」という項目を設けた。
除外ワードは、いわば“NOT検索”。たとえば韓国のグルメ情報がほしいとき、「韓国」「焼き肉」「ソウル」などをキーワード設定し、除外キーワードには「韓国語」や「韓国ドラマ」と入れておく。すると韓国語講座やドラマは録画されず、自動録画の精度が向上する訳だ。
「おまかせ・まる録2」にあった学習機能も搭載した。基本的なロジックは同じで、あるタイトル(自動録画した番組)に対してユーザーが再生を途中で止めたり、試聴せずに削除するといった行為を“嗜好情報”に反映し、次の録画番組を決める材料にする。さらに、DVDメディアへダビングしたら優先順位を繰り上げるなど、DVDドライブを持たないコクーン(チャンネルサーバー)よりも判断基準は増えている。ただ、タイトル視聴後に「今回のおすすめ番組はお楽しみいただけましたか?」とユーザーに問いかけることはなくなった。
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