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コラム
» 2004年10月19日 15時11分 公開

分岐点を迎えたデジタルレコーダーの行方(2/3 ページ)

[小寺信良,ITmedia]

 もちろん自動録画された番組は見ないかもしれないので、一定期間で自動削除する機能とは対になっている。今までの常識では、レコーダーが勝手に番組を録るということは何かの誤動作以外にはあり得ないし、ましてや勝手に消してしまうなんてのはとんでもない話だ。

 だがこのような機能は、番組表をマメにチェックする時間がない人、あるいは最初からチェックなどする気がない人でも、見たいジャンルのものはとりあえず集めておくことができる。ドラクエで言えば、「みんながんばれ」を選択するタイプだ。

 この自動録画という発想の根底には、放送局が多すぎて番組が把握できない、という事情がある。

 例えば東京の場合は、NHK2局に民放5局、UHFまで含めれば、東京ローカルのMXテレビ、放送大学、場所によってはテレビ埼玉、千葉テレビ、TVK(テレビ神奈川)、と合計12局が受信可能だ。そのほかにBSがありCSがあるわけだから、考えてみれば毎日毎日膨大な数のコンテンツを見逃していることになる。

 米国で発売されているレコーダー「Tivo」も、根底にはこの発想がある。全米には放送チャンネルが合計で1万8000局ほどあり、もちろん地域差はあるものの、都市部での受信チャンネルは数百単位になる。これではそもそも番組表というのものが機能しないわけだから、キーワード検索録画は必要かつ不可欠な要素であった。

どちらもテレビ好き

 こうして二つの機能にフォーカスして分けてみると、それは「人間のテレビに対するアプローチの違い」と共通しているのではないかという気がする。例えば自分の好きなジャンルが確立しており、放送局のサイトにいって番組情報などを読むタイプの人は、コンテンツの視聴時間をフルに使って、好きな番組だけを見る。

 その一方で、特にコダワリはないんだけど面白いものが好き、という人もいる。家に帰ると見るともなくテレビを付け、面白そうな番組がやってないかザッピングを繰り返す。意外性を許容できるタイプだ。

 どちらのタイプの人も、基本的には「テレビ大好き」には違いない。だがその行動パターンは、大きく違う。前者にはダブルチューナー機が向いているだろうし、後者には自動録画機が向いていると言える。これを逆にあてがってしまうと、「ろくな番組が録れない」「難しくて使えない」といった不満を抱えることになる。

 もう一つ、向き不向きの条件があるとするならば、地域差だろう。極端な例をご紹介すると、筆者の実家がある宮崎県には、未だに民放が2局しかない。筆者が初めて東京に出てきたときは、そのチャンネルと番組の多さにカルチャーショックを受けたものだが、今は夏休みに帰省するたび、東京生まれの妻や子供達が逆カルチャーショックを味わっている。

 そんなところで地上波を自動録画しても、大したものは引っかかってこないが、ダブルチューナー機があれば、一日中の放送をバッファリングできてしまうだろう。

二つの流れが合流する先

 この二つの流れは、いつかまた合流する時が来るのかもしれない。複数のチューナーを装備し、自動録画も行なうマシン。

 実は既にそういうマシンは、一度世の中に出ている。

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