ジェイ・ディー・パワー アジア・パシフィック(J.D. パワー)は10月25日、「2004年ネットワーク回線顧客満足度調査」の結果を発表した。
これによると、ランキング対象の9社の中で顧客満足度1位になったのは「インターネットイニシアティブ(IIJ)」だった。同社はこれで2002年から連続3度目の首位獲得となる。CSIスコア(Customer Satisfaction Indexスコア:1000点満点で算出した満足度指数)は773ポイント。ファクター別の評価では、「保守対応力」「回線品質」「営業対応力」が9社中でもっとも満足度が高く、特に「データ通信時の品質」「回線バックボーンの太さ」「営業担当者のネットワークインフラに関する知識」といった項目で高く評価されたという。
第2位は「NTT-ME」でCSIスコアは761ポイント。「セキュリティ・グローバル対応力」と「開設プロセス」の両ファクターで、9社中もっとも満足度が高かった。また、「コスト」に対する評価でも、パワードコムに次いで満足度が高かった。
第3位は「パワードコム」で、CSIスコアは756ポイント。「コスト」で9社中もっとも高い満足度評価を得た。
顧客満足度1〜3位までの上位企業では、それぞれの強みが明確に分かれていることが特徴といえる。
業界全体の平均CSIスコアは744で、2002年の713ポイントから30ポイント近い改善が見られるが、ここ2年は横ばいとなっている。
業界全体で満足度が高かったファクターは、「回線品質」と「保守対応力」で、CSIスコアは「回線品質」が793ポイント、「保守対応力」が769ポイント。とくに、「回線品質」においては3年間で40ポイントの改善がみられた。一方、満足度が低かったファクターは「営業対応力」で662ポイント。営業担当者の「提案力」「知識」「情報提供」の満足度が昨年より低下しており、この改善が通信事業者の課題と考えられる。
なお、通信業者の選定理由としては、「会社への信頼」と「回線品質の高さ」が上位の理由として挙げられている。しかし、ここ3年間では「コストが低い」ことや「コストパフォーマンスが高い」ことを通信業者の選定理由として挙げる企業が増加しており、事業者の選定の際には「コスト」を重視する傾向がより一層強まっているという。
同調査は、企業向けネットワーク回線サービスを提供する通信事業者に対する顧客満足度を調べるもの。全国の従業員数100名以上の企業を対象に年1回の割合で実施されており、今回の有効回答数は2905社だった。また、顧客満足度を構成するファクターは、重要度が高い順に「保守対応力」「セキュリティ・グローバル対応力」「回線品質」「営業対応力」「開設プロセス」「コスト」の6種類に分類されている。
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