ソニーは10月28日、2004年度第2四半期(7-9月期連結決算)の業績を発表。売上高は1兆7023億円となり、前年同期(1兆7970億円)と比べてマイナス5.3%と微減で推移。営業利益は434億円と前年同期(332億円)から102億円(30.6%プラス)となり、69億円の減益だった2004年度第1四半期(4-6月期連結決算)での大きなマイナスを取り返すカタチとなった。
中間連結決算(2004年度4-9月期)では、売上高3兆3144億円(前年同期比2.5%減)、営業利益531億円(同6.6%増)となっている。
同社執行役副社長兼グループCSO&CFOの井原勝美氏は「第2四半期のハイライトは、なんといっても増益を記録したこと。特に持分法損益を含めた当期純利益は61.6%(532億円)とかなり高い利益を確保した。ソニーが増益を記録したのは(2002年第3四半期以来)7四半期ぶりのこと」と少し笑みをたたえながら業績を説明する。
だが、フタを空けてその内容をよくみると、“AV製品分野が窮地”という抜本的状況は改善されていないことが分かる。
今回の決算で前年同期比30.6%増となった営業利益の大きな功労者は「映画分野」。前年同期に営業損失(マイナス46億円)だったものが、今回はスパイダーマン2などの記録的なヒットやDVD/VHSソフト、有料テレビ収入などが貢献し、営業利益が274億円(前年同期比320億円プラス)と大きく伸びた。
また「金融分野」では、全体売上げの84%を占めるソニー生命が収益計上方法の変更や運用損益の減少などで減収(21%減)となったものの、保有契約高増加や責任準備金繰越額の減少などで減収を吸収し、結果として前年同期比32.2%増となる149億円の営業利益を計上。そのほか持分法適用会社のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの業績好転で投資損益が改善し、前年同期比大幅増(50%プラス)となる約60億円がソニー純利益として計上された。
そのほか「音楽分野」も前年同期の営業損失から今四半期は利益を確保するなど、「映画」「金融」「音楽」と子会社の伸びが営業利益増の牽引役となった。
しかし、これらのいわゆる“副業”がいくら頑張っても、売り上げ全体の3分の2を占める“本業”「エレクトロニクス分野」が足を引っ張っているのだから事態は深刻だ。
エレクトロニクス分野は、売上高が前年同期の1兆2438億円に対して今四半期は1兆2133億円と売上げベースでは微減(2.5%減)にとどまっているかに見えるが、営業利益は前年同期の432億円に対し、今四半期は72億円と83.4%減(マイナス360億円)を計上した。
営業利益大幅減について同社執行役常務の湯原隆男氏は「売上げ自体は114億円増で、構造改革による固定費削減分も146億円プラスした。だが、単価下落による原価率の悪化、円高の影響、構造改革費用の増加が、営業利益マイナスの主な原因となった」と説明する。
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