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EURO効果は痛しかゆし――WOWOW、デジタル加入は順調ながらも増収減益

» 2004年11月18日 22時09分 公開
[ITmedia]

 WOWOWは2004年中間期の連結決算を発表した。営業収益は314億7100万円と前年同時期比103.5%となったが、営業外損益のマイナスが響き、当期純利益としては4億4200万円の赤字となった。

 前年同時期に比較すると、営業収益(103.5%)の上昇のほか、販管費の圧縮(95%)にも成功したが、「上期の目玉」(代表取締役社長 廣瀬敏雄氏)として放送したサッカーのヨーロッパ選手権(EURO 2004)の放映権獲得など、映画配給費をのぞいた番組費の合計は昨年比131.4%の66億9000万に上っており、視聴者をひきつけるためとはいえ、収支を悪化させた格好だ。

 加入者については、EURO 2004のほか、「理由」(原作 宮部みゆき)などといったオリジナル番組の制作・放送、ハイビジョン・5.1ch放送などの効果が表れ、純増数は2万5895人となった。現在の総加入者は251万576人で、そのうち、同社が推進するデジタル放送の加入者は49万8478名。

 総加入者におけるデジタル放送の受信者割合も、前年同期は13.9%であったものが19.9%に上昇し、「新規加入、デジタル加入についても目標通りの結果を得られた」と廣瀬氏は上期の加入者状況について満足感を表している。

 同社は2004年度の事業見通しとして、デジタルへのシフト(アナログ/デジタルの並進営業から、デジタル加入促進へ営業の軸足を変更)と収益構造の改善を掲げ、通期では連結当期純利益21億5000万、単体当期純利益20億円を見込んでいる。

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