日立製作所は11月19日、韓国のゲームソフトパブリッシャーであるハンビットソフトと合弁会社「ハンビットユビキタスエンターテインメント」を設立し、MMMORPG事業に参入すると発表した。
投入するゲームはいずれもMMORPGで、ハンビットソフトが供給する「Granado Espada」(グラナド・エスパーダ)、「Neo Steam」(ネオ・スチーム)の2作。Granado Espadaは2005年第2四半期、Neo Steamは2005年第3四半期よりβテストを開始する予定だ。
Granado Espadaは「ラグナロクオンライン」の開発者、キム・ハッキュ氏が手がけるMMORPG。17、8世紀の地中海文化圏をモチーフとしており、プレイヤーは大航海時代の新大陸を舞台とした開拓民として、プレイすることになる。探検と開拓、新大陸を守っている勢力との戦争、大陸を開拓する者の間の競争が主要テーマとのこと。
Granado Espadaの特徴として、「3D path engine」を搭載していることが挙げられる。高低差のある地形や建物といった、3次元的地形でも自動的に経路を探索し、ワンクリックで簡単に移動できる。また、「マルチ・キャラクター・コントロール」システムとして、同時に3人までのコントロールが可能。キャラクターの取引もできるようになるとのことだ。
なお、ワールド内はいくつかの都市国家で成立しており、プレイヤーの選挙と投票により、各国家の支配領主が決定されるため、キャラクターのレベルやアイテム、財力などの要素だけではなく、人望や自分の勢力が必要になるなど、より実社会的なコミュニティが体験できる、としている。
なお指導者に選ばれたプレイヤーは、ゲームのルールや他プレイヤーの賞罰基準、警察権、アイテムの価格調整など、都市のすべてのシステムを統括可能。ゲームマスターの権限を委任することで、ゲーム内の自立的な運営を促す、としている。
Granado Espadaの推奨スペックは以下の通り。
CPU | Pentium 4/2GHz以上 |
メモリ | 512Mバイト以上 |
グラフィックスカード | GeForce 4200またはRADEON 9000以上 |
Neo Steamは蒸気機関とファンタジーを融合させた、個性あふれる機械文明の世界を描くMMORPG。神秘国家の「Elerd王国」、技術国家の「Rogwel王国」、自然国家の「Taxzn連合」による、エナジーストーンが眠っている未知の大陸「Rope Isle」を舞台にした物語だ。
ゲームには「Steam Machine」が用意されており、「Machine Ability」によりSteam Machineの防御力、攻撃力が決定する。ワールド内の移動は地下鉄が用意されており、町から町への移動はこれを利用することになる。
このほか、攻城戦の一部では、国家が所有する城をユーザーが直接建設して使える「ブロック・システム」や、ペット・システム、モンスターの特長を生かした行動パターンとスキルを与えることができる「モンスターAI」といったゲームシステムが用意されている。
発表会の席上でも質問にあがったのが「何で日立がゲームに参入するのか?」ということ。これについて、日立製作所情報通信グループCSOの山口光雄氏は「日本はブロードバンドインフラの整備が進み、エンタテインメントビジネスも急成長している。中でもオンラインゲームの急成長はめざましい。10万人規模のユーザーと数百台ものサーバ、ギガビットイーサネット、それを支えるデータセンターといった技術は、おいそれと提供できるものではない。日立が総合的にこれらのIT技術を提供することに意味がある」と語る。
山口氏はまた、「映画配信や音楽配信といったコンテンツもあるが、オンラインゲームはこれから成長していく分野。『エンタテインメントグリッドコンピューティング』は誰にでもできるマーケットではない。日立の技術力を見せつけることができる」と強調。ハンビットユビキタスエンターテインメントを中心として、今後エンタテインメント分野に力を入れていくと語った。
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