カーリー・フィオリーナ率いるHewlett-Packardは、プリンタなどのデジタルイメージングデバイスにおけるカラー処理のノウハウを活かすべく、様々なイメージングデバイスへと事業の幅を広げている。
その展開は企業向けだけではなく、一般消費者市場にも広がる。北米でのコンシューマに対する知名度やブランド力を活かし、フォトプリンタ、デジタルカメラ、テレビ付き液晶ディスプレイに展開。デジタルイメージングは無関係だが、iPODのOEM発表も世間を驚かせた。そして今年の、家庭向けプロジェクター発売に至る。
これまでHP本体が大きく消費者市場に展開しているのに比べ、日本HPの動きは慎重なものだった。米国では一定の地位を確保しているデジタルカメラ事業は日本では展開せず、得意分野のフォトインクジェットプリンタ/複合機も、一部モデルのみの展開。HP版iPODも今のところ日本での投入の気配はない。デジタルカメラよりも市場規模の小さな家庭向けプロジェクターだけに、日本市場への参入は見送られるものと思われた。
そうした環境下において発売された「ep7100シリーズ」だけに、この分野における同社の期待が判ろうというものだ。フラットパネルで沸くテレビ業界に直接対抗することは難しくとも、趣味性の高いフロントプロジェクターならば、あるいは製品次第で市場に食い込むことができる、との考えかもしれない。
今回はシリーズ中、1024×768ピクセルのXGAパネルを用いる「ep7122」を試用してみた。
これまでITmediaでは低価格クラスで人気の高い透過型液晶プロジェクターを扱ってきたが、本機はTexas Instruments(TI)のDMD素子を用いるDLPプロジェクターである。DLPに関しては、別途、TIへの取材記事が本誌にも掲載されている。基本的な仕組みなどは、そちらの記事を参照いただきたい。
製品としてのDLPプロジェクターは、方式の違いに起因する様々な“常識の違い”が透過型液晶プロジェクターとの間にある。一般論としてDLPプロジェクターには(透過型液晶プロジェクターと比べ)以下のような長所がある(一般に手の届く単板式DLPの場合)。
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