以前DLNA関係の話題として、デジオンのDiXiMに関するコラムを書いたことがある。その後、10月28日にデジオンの主催で「DiXiM」の説明会も開催され、多くのプレス関係者が集まった。
会場では知り合いのライター諸氏にもたくさんお会いしたのだが、なるほどこのDiXiMという製品は、その性格からいろんな分野にまたがっているようだ。PC系、家電系、ネットワーク系のライターが一つのプレス説明会で鉢合わせするケースなど、今まではあり得なかった。お互い、心中では「むむ、競合してるな」と思っていたわけである。
さてこのDiXiMが手軽に導入できる「DiXiM マルチメディア・ホームネットワーク・スターター・パック」が11月26日に発売になった。筆者もいち早く入手することができたので、ちょっと試してみた。それをサカナに、「ホームネットワーク」というものの存在意義をもう一度考えてみよう、というのが今回の趣向である。
「スターター・パック」には、ソフトウェアを収録したCD-ROMと、リモコン、USB接続の赤外線受光部から成っている。
実は以前デジオンに取材したときに、サーバ・クライアントソフトの単体売りには興味があるものの、リモコンをどうするかが悩みの種、という話を伺っていた。デジオンはハードウェアの製造部門を持っているわけではないので、このようなものも、どこからか調達する必要がある。新規で金型を起こすのも大変なので、アリモノの中から選択することになるわけだが、今回付属するものは、非常にスリムでなかなかいい感じのものになっている。
ソフトウェアは、DiXiMのサーバ、クライアントと、MPEGキットが収録されている。
サーバとクライアントは、各3台のPCにインストール可能となっており、家庭内で使う数としてはまずまず妥当なところだろう。MPEGキットは、早い話がMPEGデコーダで、これは1ライセンスのみだ。これはクライアントとなるPCに、MPEG-2のデコーダが入っていないときに使用するもので、もしソフトウェアのDVDプレーヤーなどがインストールされていれば不要だ。
インストール時には設定らしい設定がほとんどないが、この手のネットワークものに付きものなのは、ファイヤーウォールの設定である。Windows XP PS2からは標準でファイヤーウォールが機能するようになっているので、これに対してポートを開けるように設定しなくてはならない。
DiXiMの場合は、インストール時に自動的にWindowsのファイヤーウォールに対して、サーバ用、クライアント用それぞれのポートを設定してくれるようになっている。と、そこまではいいのだが、最近はアンチウィルスソフトのパッケージにもファイヤーウォールが付いているものも少なくない。この場合は自動でやってくれないので、自分でポートを開ける必要がある。
サーバ、クライアント共通の設定では、UDPのポート1900を開ける必要がある。またサーバ用にはTCPの30000と30001、クライアント用にはTCPとUDPの59000を開ける。
これらの意味がわかる人は自分で設定できるだろうが、世の中にはそうじゃない人の数のほうが圧倒的に多いと思われる。ファイヤーウォールソフトの代表的なものの設定法だけでも、今後サポートページなどでフォローするような体制が望まれるところだ。
そのほかセキュリティ機能として、ログインしてきたマシンに接続を許可するかのダイアログが出るようになっている。もちろんサーバ設定で一元的に許可することもできる。
DiXiMは、ソニーのVAIOに搭載されているDo VAIOや、ネットワーク対応型のDVDプレーヤー、あるいはMediaWizのようなネットワーククライアントを使ったことがある人なら、特に説明の必要もなく使えることだろう。
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