トップ画面では、VIDEO、MUSIC、PHOTOと三つのコンテンツカテゴリが並び、その横にはSERVER、OPTIONのボタンがある。DiXiMの理想としては、どこのサーバにどんなコンテンツがあってもこの三つのカテゴリから選べばいいというところを目標としている。実際にDiXiMをインストールしたPC同士なら、サーバに関係なくコンテンツを選ぶことができる。
だがUPnP AVコマンドの細かいところで、そういったリクエストに反応しないサーバもあるため、サーバ単位で探していく方法が残されている。PCではなく、DLNA準拠のAV機器がサーバになることもあるだろう。それに対して最低限のコマンドでも対応できる機能を持っていることは、クライアントとしては“まだ重要なこと”なのである。各社ともDLNAへの対応が進めば、サーバボタンは次第に縮小していくのだろうが、まだ3メディアと同列、同サイズでボタンが必要というのが、残念ながら“現状”であろう。
実例としてビデオを取り上げてみよう。サーバもDiXiMであれば、VIDEO内からはアルバム、ジャンル、曜日といったサブカテゴリから、すべてのサーバ上のコンテンツにアクセスできる。
基本的にDiXiMは、コンテンツへのアクセスを提供するだけで、具体的なコーデックまでは管理しない。例えばDivXでエンコードされた動画も、DiXiM経由でアクセスすることはできるが、それが再生できるかどうかはクライアント側にDivX Playerが入っているかどうかが問題になるわけである。
もちろんこれは音楽の場合も同じ事で、AACやATRAC3とかでエンコードしていると、クライアント側のPCにも当然そのデコーダが必要になる。まあこれは今やiTunesやSonicStage for Moraなどが無料でダウンロードできるようになったので、状況は好転していると見るべきだろう。
さて、これ以外にもコンテンツのカテゴリに出てこないものもある。そういうものは「SERVER」ボタンから探せるようになっている。筆者宅の環境では、ソニーのVAIO内で動いているVAIO Mediaのサーバと、NECのレコーダー「AX300」で動いている「MediaGarage Server」が見える。
VAIO Mediaのサーバは、バージョンによって若干動作に差がある。筆者宅のPCV-RZ62は昨年5月のモデルであるが、VAIO Mediaのバージョンは2.5である。このバージョンでは、音楽はSonicStage、映像はGigaPocketで管理されているものしか公開できない。しかし最新バージョンである3.0や3.1では、サーバで公開するフォルダやファイルを自由に選択できるようになったようだ。
VAIO Mediaのバージョンは、本体の発売シーズンごとに管理されており、旧モデルのユーザーは、上位バージョンにはアップデートできないようになっている。ソニーではそれを新機種との差別化と考えているようだが、すでにDiXiMのようなものが現われたことで、その意味も薄れていく。
つまり早い話が、旧モデルのユーザーはさっさとVAIO Mediaをアンインストールして、DiXiMを入れた方が格段に便利ということなのである。囲い込みによる差別化は、DLNAによって過去のものになるべきであり、事実そうなっている。
もう一つのサーバ、AX300の「MediaGarage Server」は、同社のPCなどにインストールされているクライアントソフト「MediaGarage」でDiXiMのような機能を実現するために存在している。この機能がDiXiMの前身ともいうべきサーバで動いていることから、DiXiMからも見えるというわけだ。
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