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RDシリーズの“今”を全て詰め込んだハイエンド「RD-X5」レビュー(1/4 ページ)

» 2004年12月03日 16時58分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 RDシリーズの新しいハイエンドモデル「RD-X5」。途中で旧モデル「RD-X4」は大規模なソフトウェアアップグレードも提供され「RD-X4EX」という新名称を与えられたが、ハードウェアの刷新はほぼ一年ぶり。どの程度の変化があったのか、細かく見ていこう。

 デザインも操作系を上面パネル前端においた独特のデザインから、2004年夏以降のRDシリーズ共通のデザインとなった。“パッと見”は下位モデルのブラックフェイス版とも言え、ハイエンドならではの存在感は薄れた感もある。ただし、ヘアライン加工を施すといった主張もあり、ブラックフェイスも依然多い単体オーディオ機器とのデザイン的な融和性は高そうだ。

photo フロントパネルを含め全体を黒に近いグレーに統一。ヘアライン加工で落ち着いた印象を醸し出している。前面パネルのデザイン自体は下位モデルの「RD-X36/46/43/53」と完全に共通だ
photo リアパネルには整然と入出力端子が並ぶ。中央の上部にあるのがスカパー!チューナー接続用の専用端子(クリックで拡大)
photo リモコンはW録対応のRD-XS53/43とほぼ同じタイプ。旧モデルのRD-X4のものと比較すると一般的で使い易いレイアウトになっている

 「RD-X5」は、現行RDシリーズの持つ特徴をすべて詰め込んだ製品と言っても良い。その特徴を列挙すると以下のようになる。

  • 2つの地上波チューナーとエンコーダーで実現した「W録」
  • 地上波EPGとインターネット利用のDPGが選択利用できる「WEPG」
  • スカパー!チューナー連動録画
  • コピーワンス番組もDVD-RにムーブできるDVD-R CPRM対応
  • PCでの簡易モニターも可能になった「ネットdeナビ」
  • 対応RDシリーズ同士でLAN経由で番組のコピーができる「ネット de ダビング」

 このように、ほかのRDシリーズが備え、「RD-X5」が備えない機能はほとんどない。ほぼ同時に投入された「RD-XS46」との共通面も多く、ここに上げた特徴も「スカパー!チューナー連動録画」を除けば、ほぼ同じだ。つまり、機能面の特徴が少ないともいえるのだが、購入する側から見れば選択の自由度が高くなったとも解釈できる。

 ハイエンドモデルならではの特徴が高画質設計だ。最新のRDシリーズでは唯一のゴーストリダクション機能を、もちろん2つのチューナーそれぞれに搭載している。「RD-XS53」ではゴーストリダクションの非搭載を惜しむ声も大きかったので「待ってました」という地上波ヘビー録画ユーザーは多いだろう。現状では2番組同時録画機能を持つDVDレコーダーでゴーストリダクションを備えるのは「RD-X5」だけだ。

 ハイエンドモデルの象徴ともいえる12bit/216MHzのハイビット、高サンプリングレートのビデオDACを採用。音声回路にも単体オーディオ機器で使用される高品位パーツを採用している。D1入力も2004年モデルでは「RD-X5」と「RD-XS53」とのみが備えている。

 東芝が先陣を切ってきた感のあるHDDの大容量化は、今回も600Gバイトという形で実現された。おそらく300Gバイト×2台という構成だろうが、とくに動作音や発熱が大きいという印象はなく、RD-XS53のレビュー時に気になった発熱の問題はクリアしているようだ。

 最低ビットレートで「最大1071時間」という録画時間は、もうどうでもいい世界に突入した気もするが、おそらくは利用頻度が高いであろうSPモードで272時間の録画が可能になった。これは、1日8時間の録画を1カ月間以上行える計算になる。またHDDには最大396番組が録画可能で、大容量HDDをきっちり活用できる録画済番組の管理機能を備えている点はRDシリーズの特徴といえる。ただし、予約録画の最大数は、相変わらず「1カ月32番組」。せめて倍の64番組にならないかという気はする。

photo 最大24個までの本格的なフォルダ分け機能を利用できるのも特徴
photo サムネイルなしで一覧性重視の表示も可能
photo さらに、録画時に自動で付与されるジャンル情報で一覧を絞り込めるなど、管理機能の高さは600Gバイトという大容量HDDに見合ったもの

RD-XS53とほぼ同等の「W録」。だが、制限は少し緩和

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