「iPod」の流行は、HDD搭載のポータブルプレーヤーをメジャーにするとともに、大容量のストレージメディアに音楽ファイルを蓄積しておくことの便利さを広く浸透させる契機にもなった。CDをケースから出し入れする必要がなくなり、検索もカンタン。一度HDDに取り込んでしまえば、手間をかけず、場所も問わず、お気に入りのBGMを楽しめる。
ただ、場所に関しては、一カ所だけ遅れている部分がある。PCのある書斎やプライベートルームならパソコンのスピーカーやヘッドフォンで聞けばいいし、外に出歩くときはポータブルプレーヤーがある。しかし、オーディオ機器が揃っていて、これまで音楽を楽しむ中心的な場所であったはずの「リビングルーム」が取り残されてしまっていないだろうか?
サン電子(SUNTAC)の「BiBio wGate」は、そんなご家庭に“ぴったり”のネットワークプレーヤーだ。なにが“ぴったり”かといえば、まずデザインとサイズ。186(幅)×150(奥行き)×60(高さ)ミリで、いわゆるミニミニコンポにジャストフィットする。コンポの上に置いてネットワークに接続すれば、パソコンやNAS(LAN接続型HDD)に保存されている音楽ファイル(MP3のみ対応)を再生可能。アンプなどは内蔵せず、コンポと組み合わせることを前提にしたタイプのプレーヤーだ。
“ぴったり”の2つめの理由は、サン電子が狙ったのかどうかは定かではないものの、家族など「複数のユーザーで使う」シチュエーションに合った仕様になっていること。このあたり、基本操作の解説と一緒に、ちょっと掘り下げていきたい。
音楽や映像を問わず、多くのネットワークプレーヤーは、パソコン側に専用のサーバソフトをインストールする必要がある。しかしBiBioの場合は、ファイル共有の仕組みを利用しているため、パソコンやNASで共有設定したフォルダを指定するだけでいい。共有フォルダは3つまで指定できるから、家族それぞれが自分のパソコンに趣味の音楽を入れておけば、リビングルームで一緒に楽しめるというわけ。たとえば、お父さんがWindowsマシン、お母さんはMacintosh(Mac OS X)といったマルチプラットフォームな御家庭でも問題ない。
ブロードバンドルータがある環境なら設定はカンタンだ。DHCPクライアント機能を持っているため、IPアドレスは自動取得してくれる。ネットワークに繋がったら、あとはパソコンのWebブラウザで細かい設定を行えばいい。
パソコンの共有設定をしたあと、そのIPアドレスとコンピュータ名、ID/パスワードをWebの設定画面から入力。無線LANのWEPキーなどもブラウザで入力できるため、最初は有線で接続し、設定してから無線化したほうが楽だろう。
なお、本体側で手入力することも可能だが、こちらは少々面倒くさい。文字入力は、ボタンを押すごとにアルファベット順に切り替わる方式。アルファベットの大文字&小文字、記号なども含まれているため、目的の文字が出てくるまでボタンを押し続けなければならない。
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