　いずれにせよ、これらの障害（？）を考慮すると、がんばっても、せいぜい月に8回、合計16枚が精一杯（まあ、ほかにいろんな手段があるので、10回できている人もいるだろうけど）。それでも、月額2079円＋87.5円（年会費の1/12）を16で割ると、1枚あたり135円程度となる。送料は往復で180円とすると、1枚あたり90円。これを差し引くと、1枚あたりの純粋なレンタル料は45円となる。もし、全員がこのケースに当てはまるなら、たしかに、経営を成り立たせるのは難しく、DISCASのように料金を見直したり、あるいは、返却処理が滞ったとしても作業人員を増やせない事態になるかもしれない。

　しかし、そんなに気合の入ったユーザーばかりのはずはなく、実際の平均レンタル回数は5か6あたりではなかろうか。そうなると、126円あるいは90円程度となる。回数を保つためには、レンタル店なら眠っているようなタイトルも借りるだろうから、このセンならビジネスになるのかもしれない。

　ちなみに、DISCASの場合は、Aプランであれば1974円を8枚で割って送料を引くと、1枚のレンタル料は156円程度で固定。ちょっと割高と捉えられてもしかたない。

TSUTAYA DISCASの逆襲？でも、よく確かめると……

　しかし最近になって、TSUTAYA DISCASも月額2079円のMプランで、レンタル枚数無制限を復活させた。しかも、自分で借りたい作品を選ぶ、手動発送方式だ。まさに、いいことづくめ。

　いよいよ“TSUTAYA”の本格逆襲開始か！また乗り換えか！と意気込んでいたら、このプランでは「お届け率が☆（在庫状況を示すマークで、100％レンタル可能という意味）のDVDのみ対象で、入荷日から7日間経過していないDVDはレンタルできません」とのこと……。

　ただ、ぽすれんのサービス態勢も決していいことづくめではなく、しかも、サイトやシステムのつくりはTSUTAYA DISCASのほうが上だと思う。さらに、普通に忙しい人なら、DVDを鑑賞できるのは週末くらいで、月に4回借りられればよく、ましてや争奪戦なんかには参加できないだろう。ならば、TSUTAYA DISCASが最適。実際、TSUTAYA DISCASの会員数は今年10月の時点で4万人を突破している。以前は配送センターは大阪のみで、関東のユーザーはやや不利だったが、DISCAS EAST配送センター（埼玉）も追加された。

　オンラインDVDレンタルサービスとしては、ほかに大手レンタルビデオチェーンのゲオが運営する「GEOLAND」もある。料金はぽすれんと同じく、年会費1050円、月額2079円で借り放題（しかも、別のコースならCDレンタルも可）。レンタル作品の選択は、DISCASのAプランなどと同じ自動発送方式となる。ゲオは愛知県を拠点としており、配送センターも同様。また、「DMM」でもオンラインDVDレンタルを行っている。DMMはアダルト作品に重点を置いてサービスを展開しているが、一般作品の取り扱いも始めた。年会費は不要で、月額2079円で借り放題。そのほか、「DVDZOO」というのもあったが、ここは少し前にぽすれんに統合された。

　競合他社が伸びてくる可能性は潜んでいるが、現時点では「ぽすれん対 DISCAS」という構図であることは間違いない。しかし、どこが勢力を拡大するにせよ、オンラインDVDレンタルサービス自体は便利で、しかも、使いようによってはお得な存在だ。まだ手を出していないという人は、冬ごもりをきっかけに、始めてみてはいかがだろうか。

　ちなみに、年末年始の返却受付・発送業務に関しては、ぽすれんは千葉配送センターは通常どおりで、大阪返却センターは2004年12月31日から2005年1月2日まで休み（千葉へ転送）、DISCASは通常どおり営業（日曜日はもともと休業）となる。また、GEOLANDは1月1～3日まで、DMMは12月31日～1月3日まで休業とのこと。