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高級感ある仕上げに“フルデジタル伝送”の上質サウンド――ビクター「HP-W1000」コードレスサラウンドヘッドフォン特集(3/4 ページ)

» 2004年12月22日 13時34分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 ハウジング部の外観もトランスミッター部と同様にピアノ調塗装が施されており、高級感ある仕上げになっている。ハウジング部サイドには革っぽい素材、内側の耳当て部にはベルベット調の柔らかな素材が使われ、見た目だけでなく装着感も非常によくて長時間長時間装着しても耳が痛くなることはまったくなかった。

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 その“かけ心地”はこれまでレビューしてきたヘッドフォンの中でも1、2位を争うほどで、タイプは異なるが、個人的にはこれまで最も好印象だったオーディオテクニカの高級機「ATH-DCL3000」よりも上を行く装着感だった。

photo HP-W1000を実際に装着したところ

 同社は、すべての人に分かりやすく使いやすいという“ユニバーサルデザイン(UD)”の視点に基づく製品作りに力を入れている企業としても有名。同社ヘッドフォンの全製品には、UDの視点から暗いところでも手探りで左右(L/R)がわかるように、L/Rの点字表示もしくは左側(L側)に小さな凸点が付けられている。

 HP-W1000も例外ではなく、ハウジングとヘッドアームとの連結部分にL/Rの点字表示が刻まれているほか、左側は丸く浮き出てた凸点にL文字が、右側には丸くへこんだ凹点にR文字という具合に、二重三重の工夫でユーザーに“優しく分かりやすく”知らせてくれる。

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 実は、このUDの配慮が真っ暗な部屋で映画を視聴するときに非常に便利で、ホームシアター用途がメインとなるHP-W1000の性格にもピタリと当てはまっているのだ。点字になれていないユーザーでも、ちょっと触るだけで真っ暗闇でもL/Rがすぐに判別できる。このような小さな配慮が心憎い。

音質&サラウンド効果は上々

 高音質なワイヤレス伝送を可能にする非圧縮デジタル赤外線伝送方式を採用。さらにヘッドフォン内蔵のアンプ部にも高効率なデジタルアンプを搭載し、光デジタル入力からアンプ出力まで、つまり振動板を鳴らすところの直前までを完全にデジタル化しているのが最大の特徴だ。ドライバーユニットも大口径40ミリの高磁力ネオジウムドライバーユニットを採用している。

 実際の音質もノイズ感がまっくない明瞭なサウンドで、心地よい装着感と併せてかなり映画に集中できた。筆者が初めてHP-W1000を見たA&Vフェスタの会場で、ビクターの担当者が「音質では他社のどの製品にも負けません」と自信満々に語っていたことを思い出す。

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