東芝は1月5日(現地時間)、「2005 International Consumer Electronics Show」(CES)でプレスカンファレンスを開催し、HDD搭載製品を軸にした新コンセプト「gigastyle」を紹介した。
同社デジタルネットワーク社社長の藤井美英氏は、カンファレンス内で「エンターテイメントのトータルソリューションを提案する企業を目指す」としてAVビジネスにおける中心商品であるSEDとHD DVDへの取り組みを語ったが、そうしたビジュアルエンターテインメント製品を支える基幹製品として紹介されたのがHDDだ。
「放送をまずはHDDに録画して、そのあとに残しておきたい映像だけをDVDに保存する。そうした流れが主流になっており、その流れは映像(放送)がHD(High Definition:ハイビジョン)になっても変わらない」
藤井氏はこう述べるが、対象となる放送がHDとなれば、必然的に大容量に対応したHDDとメディアが必要になる。同社ではメディアについてはHD DVDを推進するスタンスを明確にしているものの、HDDについてもしばらくは一層の大容量化が進むとみている。
「そう遠くないうちに1T(テラ)バイトのHDDを搭載したHDDレコーダーが登場することになるだろう」(藤井氏)
また藤井氏は、1.8インチHDDを搭載したビデオカメラと、昨年のCESで発表した0.85インチHDDを搭載した録画対応デジタルカメラを壇上で紹介した。
製品の詳細は未定だが、1.8インチHDDを搭載したビデオカメラは30G〜60GバイトのHDDを搭載し、録画対応のデジタルカメラは4G〜6GバイトのHDDを搭載する予定だという。「発売時期も未定だが、ビデオカメラタイプは今年夏〜秋の間に出したいと考えている」(藤井氏)。
同社は昨年9月に行われた経営方針説明会にて、HDD事業については小型HDDに注力していく姿勢を明らかにしており、小型HDDを利用した製品のモックアップ展示を行っていた(2004年9月28日の記事参照)。また、その説明会に前後してHDD搭載ポータブルプレーヤー「gigabeat」の新製品も発表されている。
こうしたHDDを軸にした製品展開を同社では「gigastyle」と命名、北米地域はもとより、日本も含めたワールドワイドのマーケティングテーマとしてPRなどを続けていく計画を明らかにした。音楽プレーヤーはgigabeat、ビデオカメラはgigashotと「giga」にちなんだネーミングが行われ、同社がTiVoに提供しているDVRもgigastyleの1製品として位置付けられる予定だ。
「(HDDを中心としたマーケティングをgigastyleと命名したことについて)ここまでピッタリとハマるとは想像もしていなかった。2006年には小型HDDも普及し、価格も下がると思う。2010年頃には0.85インチ製品も30Gバイトを狙うところまで容量を拡大する見込みなので、さらに商品展開の幅は広がるはずだ」(藤井氏)
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