エアコンを使っていると、“床近くは寒いのに、天井付近だけは暑い”といった「温度ムラ」が生じることがある。人間は寒く感じるため、ついつい設定温度を上げてしまいがちだ。そこで、三菱電機の新型エアコンは、床の温度を計測する“目”を備えた。
同社が1月13日に発表した家庭用エアコン「霧ヶ峰」は、吹き出し口の横に「ムーブアイ」と呼ばれる可動式の赤外線センサーを搭載した。左右150度の範囲で動き、床や壁面の温度を計測。その測定結果をもとに、温度が低い場所に向けて集中的に温風を吹き付けるといった気流の制御を行う。
このため、いたずらに室内温度を上げることなく、体感温度を快適なレベルに保ち、さらに電力消費を抑える効果があるという。「ムーブアイを動作させないときと比較して、同じ運転時間あたりの積算電力を約30%削減できる」(同社)。
床暖房やホットカーペットとエアコンを併用するケースも多いが、ムーブアイはその際も相性が良いらしい。「床暖房が入っていれば、人間体感温度は上がります。このとき、ムーブアイが測定した床面の温度は高く、エアコンは控えめに動作しますから、さらに余分な電力消費を抑えることができます」。
型名 | 定格冷房能力 | 価格 | 発売日 |
---|---|---|---|
Zシリーズ | 2.2〜7.1kW | 25万2000円から | 3月上旬 |
CSシリーズ | 2.2〜5.0kW | オープン | 1月24日 |
DSシリーズ | 2.2〜5.0kW | オープン | 3月下旬 |
SJシリーズ | 2.2〜5.0kW | オープン | 2月11日 |
三菱電気では、エアコンの新ラインアップすべてに「ムーブアイ」を搭載し、1月下旬から順次発売する予定だ。また、上位モデルとなる「Zシリーズ」および「CSシリーズ」には、新開発の「スーパープラズマ脱臭ユニット」と「パワフル換気ユニット」を搭載。いわば空気清浄機を丸ごと一台搭載した形で、「業界ナンバー1の脱臭力とホルムアルデヒド除去力を備えた」(同社)としている。
スーパープラズマユニットは、新開発のナノホール導電性触媒を組み込んだ脱臭ユニット。触媒にはナノレベルの穴が無数に開いており、ユニット1つあたりの吸着面積は、「畳100畳分」に相当するという。ここに悪臭や有害ガスの分子を吸着し、プラズマ放電エネルギーを与えて分子結合を破壊する仕組みだ。
その脱臭能力は、ユニット1つあたり、なんと「炭10キロぶん」。「人間が“悪臭”と感じるニオイの約8割を構成する四大悪臭分子を30分間で約90%分解・除去できる」という。さらに、シックハウスの主要因と言われるホルムアルデヒドも、WHO(世界保健機構)や建築基準法で規定された0.08ppm以下に除去可能だとしている。
「従来の空気清浄機能は、フィルターでニオイを吸着させる方法が中心だったが、その方式では吸着面が飽和してしまうと効果がなくなり、また室内のガス濃度が低いときは取りきれないことがあった。プラズマ脱臭ユニットの場合、破壊した悪臭やガスの分子を無害な物質に再合成して放出するため、吸着面が飽和することがない。メンテナンスフリーだ」。
さらに、2004年10月の「CEATEC JAPAN 2004」で参考出展したエアコンと連携できるカメラサーバ「みまもりサーバー」をラインアップ。第2の“アイ”をオプション提供する(詳細は別記事を参照)。
なお、「霧ヶ峰 ムーブアイ」のイメージキャラクターには、プロゴルファーの宮里藍選手を起用。「エアコンはアイ。CMもアイ。今年は、業界の中心で“アイ”を叫びます」(三菱電機)。
座布団一枚。
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