ソニーは、他社がUMDを採用した製品を構築できるよう、PSPで使われているプロプライエタリなUMDをオープンにする第一歩を踏み出した。同社上級幹部が1月20日、明らかにした。
UMDは1.8Gバイトのデータを格納できる直径60ミリの保護ケース入り光学ディスク。ソニーがPSP用に開発したものだが、既にゲーム以外の用途も計画されている。ゲーム、映画、音楽用の各バージョンのUMD仕様が作成されているが、現時点で市販されているUMDコンテンツはPSP用のゲームのみだ。
今後、ソニーはこれを商用の映画・音楽UMDに拡大する計画だと、ソニーコンピュータエンターテインメント(SCEI)社長兼グループCEOの久夛良木健氏はこの日、日本の外国人記者クラブで語った。
「コンテンツパブリッシャー・制作会社、アーティストの多くがコンテンツを提供し、PSPでライブラリを見せたいと切望している。この音質と画質でこれだけの広範なアプリケーションを扱えるプラットフォームはほかにない。これは実際、初めてあらゆる人に提供されるチャンスだ」(同氏)
ソニーは、他社がUMD対応のメディアプレーヤーを製造できるように、UMD技術の映画版・音楽版へのアクセスを提供する予定だという。ゲームフォーマットに関しては公開せず、他社が競合するゲーム機を開発するのを防ぐ。
「当社は既にUMDディスクメディアをあらゆる人に向けたオープンな標準として提案している」と久夛良木氏。「ゲームプロファイルはPSP固有のものとなるが、映画と音楽は皆に共通のアプリケーションになるはずだ」
ソニーは12月後半に国際標準化団体にUMDの規格を提出したと、SCEIの広報担当ヨシコ・フルサワ氏。同氏は提出先の団体を明かすことは控えた。
また久夛良木氏は、PSPを増産する計画も明らかにした。「本日の時点でPSPの出荷台数は80万台に上る。少ない数ではないが、今の市場には十分ではない」
3月末までのPSP出荷台数は合計で約300万台に上る見込みだと同氏。この数字には日本と欧米の出荷分が含まれる。ソニーは3月末までに欧米でPSPを発売するとしている(1月6日の記事参照)。
「夏にはPSPの月産能力を100万台から200万台に拡大する。今年の商戦期には、月産およそ300万台というちょっとクレージーな数に増えているだろう」(同氏)
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