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SNS「mixi」に初の有料機能 収益源多角化へ

» 2005年01月27日 19時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 イー・マーキュリーは1月27日、無料のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」に月額315円の有料サービス「mixiプレミアム」を追加した。フォトアルバムやアンケートなど付加機能を利用できるほか、日記容量が拡張される。サーバ負荷の高い機能を有料で提供し、収益源の多角化と安定運用につなげる。

 プレミアムユーザーは(1)合計100Mバイトまで画像を公開できるフォトアルバム、(2)日記テキストをワンクリックで装飾できる「簡単日記タグ」、(3)参加コミュニティ上でアンケートを行える機能、(4)mixiに届いたメッセージを携帯電話から送受信できる機能――を利用できるようになる。

フォトアルバム

 フォトアルバムは、640×640ピクセルの画像をまとめて公開できる。アルバムごとにコメントをつけられ、公開範囲も設定可能。閲覧にパスワードを要求することもできる。

 簡単日記タグは、アイコンをクリックするだけで日記の文字色を変更したり、テキストにハイパーリンクを設定できる。アンケートは、質問文と選択肢を自由に設定でき、集計結果をグラフで表示する。コメント欄も付加できるほか、途中経過の閲覧も可能だ。

簡単日記タグで装飾した日記
アンケート作成画面

 日記容量は従来、無料で無制限だったが、3月1日から100Mバイトまでに制限。プレミアムユーザーなら200Mバイトまで利用可能になる。現在、日記容量を100Mバイト以上利用しているユーザーは10人弱いるという。3月31日からは、無料ユーザーのメッセージの保存期間も60日間に制限し、サーバ負荷を低減する。プレミアムユーザーならメッセージも無期限に保存される。

 プレミアム機能は2月いっぱい無料で利用できる。決済は当初はクレジットカードのみに対応し、2月中旬からはイーバンク銀行決済も導入。決済手段は順次増やす。2月28日までに申し込めば、フォトアルバム容量が最大200Mバイト、日記容量が最大300Mバイトに拡張されるほか、抽選でmixiグッズやiPod photoがもらえるキャンペーンを行う。

 プレミアム機能は順次追加する計画。1周年となる3月3日までに、携帯電話から画像を投稿する機能などを追加したい考えだ。無料会員向け機能も順次増やしたいとしている。

直近の黒字化よりもビジネス拡大を

 同社の笠原健治社長は、4月ころまでに全ユーザーの5%がプレミアムサービスに加入すると見込む。ユーザー数は1月27日現在31万5000人以上。5%弱の1万5000人が加入すれば、1カ月当たり450万円の収入になる。収益はサーバの安定化やインフラ投資、スタッフ増強などにあてる計画で、「直近の黒字化は考えていない」(笠原社長)。

mixiの現状。ユーザー数、PVともに急激に増えた

 国内SNS最大手として注目を集めているmixiだが、トラフィックやサーバ負荷が指数関数的に増え続ける一方、収入は広告とアフィリエイトのみ。収益源の多角化が課題だった(関連記事参照)。

「投資を加速してサービスの質を高めたい」と笠原社長

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