ITmedia NEWS >

「スカパー!」の兄弟分は「ピカパー!」に

» 2005年01月27日 22時29分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 スカイパーフェクト・コミュニケーションズは1月27日、子会社のオプティキャストが運営する光ファイバー網を利用した放送サービスの名称を「光パーフェクTV!」(通称:ピカパー!)に変更すると発表した。オプティキャストの篠木廣行社長は、「ピカパー!は、“ケーブルタイプのスカパー!”であり、いわば兄弟のようなもの。一般ユーザーにも分かりやすく、親しみやすいサービスを目指して2月1日に改称することを決めた」と説明している。

photo 光をイメージしたという光パーフェクTV!の新ロゴマーク。

 現在、ピカパー!(現在の名称はOPCAS)は、NTT東日本およびUCOM(有線ブロードネットワークスの子会社)が保有する光ファイバー網を利用して、東京23区内のマンション74棟3900戸にサービスを提供している。このうち加入者は10%に満たないが、「まだ積極的な加入促進を行っていない段階。2-3月からは最低15-20%(の加入世帯)を確保していきたい」(篠木氏)。なお、このほかにも都内では既に493棟(約2万6000戸、2004年12月時点)のマンションへの導入が決定しているという。

 ピカパー!のエリア拡大スケジュールについても、具体的な説明があった。まず、西日本電信電話(NTT西日本)の「映像通信網サービス」を利用して、大阪市、豊中市、吹田市、守口市のほぼ全域をカバーするとともに、門真市、東大阪市、摂津市の一部エリアでサービスを開始する。「2月後半から大阪地域の対応を進めていく。その次は名古屋エリアだ」(同社)。名古屋地区の具体的な展開スケジュールは未定だが、2005年度末までに東名阪地域の設備投資を終える計画だという。

 また、エネルギア・コミュニケーションズ(中国電力の100%子会社)と共同で進めている広島県福山市における光ファイバーを利用した映像配信事業についても、2005年度早々から試験サービスを開始する予定。さらに2006年度以降は、全国の主要な政令指定都市をターゲットにしていく。「とくにマンションの多い地域から対応していく。将来的に、ピカパー!だけで150万世帯の利用者を獲得したい」(同氏)。

 一方、大都市周辺の中規模都市に関しては、CATV事業を通じてエリア拡大を図る。先日、伊藤忠商事が保有する全株式を取得すると発表した「ケーブルテレビ足立」(CTA)をはじめ、福島県郡山市の「インフォメーションネットワーク郡山」など、複数のCATV局(下図参照)に資本参加してデジタル化を推進。その上でピカパー!を提供する計画だ。光ファイバーを前提としていたOPCASのコンセプトからは外れるが、「たとえばケーブルテレビ足立は770MHzのHFC(Hybrid Fiber Coax)を持っている。スカパー!チャンネルのほとんどを伝送可能だ」という。

photo ピカパー!のエリア拡大スケジュール(クリックで拡大)

 なお、スカパー!の重村一社長は、「積極的にCATV事業へ乗り込んでいくわけではない」と前置きしつつも、「今後も(提携などの)提案があったものは検討する」として、CATV事業を推進する姿勢を示した。

STBをレンタルに――HDD内蔵型も

 一方、衛星を利用したDTH(直接配信)サービスでは、現在のチューナー売り切り販売方式にくわえ、レンタル方式を導入する。2月1日付けでJSATと共同設立する企画会社「スカパー・マーケティング」が機器の取り扱いを担当。電話やWebサイトを窓口として、加入申し込みと機器レンタルを同時に受け付けるという。

 「これまで、スカパー!加入者は20-30歳台が中心だったが、最近の“韓流”ブームにより、40-50歳台の女性層が増えた。しかし、若者と違ってスカパー!の導入方法が分からず、サポートセンターで電話を受けてから販売店を紹介するケースも多い。レンタル方式の導入により、電話を受けた段階で取り付けに行ける体制を整えたい」(スカパー!の重村一社長)。

photo チューナー(STB)供給の新しいモデル(クリックで拡大)

 なお、スカパー!チューナーに関しては、将来的にピカパー!にも対応できる64CAM/QPSKハイブリッド型とする計画。さらに、以前から検討を進めてきたHDD内蔵の高機能型チューナーやVoD対応の仕様策定についても新会社のスカパー・マーケティングが担当し、「戦略的なサービス提供のスピードアップを図る」という。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.