ITmedia: アップグレードの頻度はどれくらいになるんですか? もちろん、研究の進み具合にもよると思いますが。
中道氏: 最低でも半年に1回程度はやっていこうかと考えています。せっかく買ってもらった製品ですから、瞬く間に旧モデルになるのではなく、長く使ってほしいという意向です。また、アップグレードに関しては、ハードウェア面でも含めて進めています。たとえば、現在のものとは全然違うタイプのスピーカーを追加で提供するかもしれない。その場合でもアンプはそのままで使えます。
ITmedia: MovieMouseが登場したときのように、さらに新しいオプションが導入される可能性があるというわけですね?
中道氏: そのとおりです。いまもまた“一見妙なもの”をいくつか開発しています(笑)。
MovieMouseとは、深夜などにやむなくヘッドフォンで視聴しているユーザーのために、その代替手段として提供されているNIRO400/NIRO600/NIRO1.1PROU/NIRO REFERENCE用オプションだ。サテライトスピーカーと同様に、5つのスピーカーが内蔵されたユニットで、手元のテーブルやラップトップに置くことで小音量でのサラウンド再生を実現する。
実際に音を聴かせてもらったが、迫力に欠けるのはやむをえないとしても、その包囲感は見事なものだ。方向感もきっちり再現される。決して、サテライトスピーカーのサブセットという印象ではなく、あくまでも代替手段というレベルが確保されているわけだ。しかも、「音の到達範囲が狭いので、壁の反響を気にせずにサウンドを設計できる。つまり、むしろMovieMouseのほうが理想に近い」のだという。
ITmedia: 中道氏自身が考える、「映画音響に必要な要素」を教えてください。
中道氏: 基本的にはセンターとサブウーファーで成り立っていると思います。これは映画館であろうと、家庭であろうと変わりません。特にサブウーファーは感情を盛り上げる道具として不可欠でしょう。NIROシステムでは、この各チャンネルをしっかり確保すること以外は、特に工夫はしていません。映画制作時に意図・設計された音をストレートに出すことが基本です。
ITmedia: では、「音楽再生に必要な要素」に関してはどうでしょう?
中道氏: これも特別なことは何もしていませんね。最終的には、左右の2個のスピーカーから出しているだけです。ただ、ホームシアター製品とはいえ、朝から晩まで映画観ているはずはなく、日常生活では音楽を聴く時間のほうが圧倒的に多い。そのため、以前開発したハイエンド2chシステムをリファレンスとして設置し、開発に携わる技術者にはステレオ再生時でもその音響に近づけるように指示しています。
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