もともとBD陣営だったソニー系列のソニー・ピクチャーズエンターテインメント(SPE=Sony Pictures Entertainment)を除き、ハリウッドメジャーの中で最も早くBlu-ray Disc(以下BD)にコミットしたのが、ウォルト・ディズニー・スタジオズ(The Walt Disney Studios)だ。それ以前に20世紀フォックス(20th Century Fox Film)がBlu-ray Disc Association(BDA)への参加を明らかにしていたが、次世代の光ディスクパッケージ発売に関しては「あくまでも中立」と、BDでのパッケージ販売を確約してはいなかった。
ディズニーはもともと、現場の技術担当者たちが“BD寄り”であるといわれてきた。2003年の終わり頃から検討を始め、2004年の年初にはBlu-ray Disc Foundersに参加するという情報まで漏れてきたほどだ。その後、さまざまな状況を経て、最終的なBD陣営への参画は年末になった。ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)のグループトップが、どちらかといえばHD DVD寄りと見られていたことも、参画が遅れた原因であろう。
ディズニーの参画は既定路線ともいえそうだが、それでも、まだROM規格の策定を終えていない時点で強いコミットの姿勢を示したことは注目に値する。では、彼らはなぜBD陣営に参画したのか。
ディズニーのスタジオニューテクノロジ担当上席副社長のクリストファー・キャリー氏のインタビューから、それを読み取ってほしい。
ディズニーとワーナー・ブラザース(Warner Brothers)は、映像のパッケージ販売において長年のライバル関係にある。VHS時代、映像パッケージ販売で最大のシェアを誇っていたディズニーだが、近年、DVDを積極推進するワーナーにその座を明け渡した。
――最大のライバルであるワーナーはHD DVDを選びました。最大の理由はROM複製のコストでしょう。ディズニーは、なぜBD陣営への参画を決めたのでしょうか?
「これまでにも何度かコメントしてきた通りです。DVDビジネスの将来を考えたとき、現時点でビジネスをスタートさせることが重要です。早期に有望な方式にコミットすることで、ライバルに対するアドバンテージを築くことができます。
次に、いずれか一方を選ぶのであれば、もともと大容量であり、さらに将来的な容量の増加が見込めるBDの方が有望だと考えました。容量の大きさは重要なポイントです。なぜなら、コンシューマーに対して新しいエンターテイメントを提供できる可能性が高いからです」。
――つまり容量の大きさ、将来的な増加の可能性をBDのアドバンテージとして捉えているわけですね?
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