セイコーエプソンは2月23日、花岡清二副社長(57)が、4月1日付けで代表取締役社長に昇格する人事を発表した。草間三郎社長(65)は代表権を持つ会長に就任。増収増益基調を背景に、若返りを図る。
同社は、草間社長が就任した2001年を底に増収増益を続けており、2003年には東証1部上場も果たした。「私にとって4年は1つのサイクル。社長も4年間全力投球し、良いタイミングで結果を出せた」(草間社長)。
草間社長は、花岡副社長に次期社長を任せようと就任時から計画し、さまざまな事業領域を学んでもらっていたという。「情報産業やデバイスは日々進歩する。若さと気力、知性のそろった新社長に任せたい」(草間社長)。4月以降は会長として新社長をサポート。実務面はすべて新社長に任せ、「外の公的な仕事」(草間社長)をメインに手がけるとした。
花岡副社長は東北大学工学部出身。プリンタ事業に30年間たずさわったほか、画像分野や電子デバイス、ネット関連の新規事業も手がけ、最高技術責任者(CTO)も務めてきた。新社長として、プリンタ、プロジェクター、中・小型ディスプレイに集中する同社の中長期計画「SE07」を継承し、足下をみすえた経営を行うとした。
花岡副社長によると、同社の強みは「アナログ」だ。「デジタル時代は標準化の時代で、新規参入が容易になり、競争が激化する。しかしプリンタやディスプレイは人間の目で見、“きれい”とか“キレがいい”などアナログな感性が必要。セイコーエプソンはアナログ分野の差別化技術を持っている」(花岡副社長)。技術開発や人材育成にも力を入れたいとした。
同社の課題として、デバイス関連分野を需給変動に耐えられる体質にすることや、マーケットを先取りした情報関連機器の開発を挙げた。「デバイスと情報機器を車の両輪として、健全に回したい」(花岡副社長)。
時計分野に関しては「正直、考えていない」(花岡副社長)。時計に詳しい草間社長のサポートに期待するとした。
安川英昭会長は相談役に就任する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR