ITmedia NEWS >

音だけでなく映像もリモコン信号も――アナログ2.4GHzのAV無線伝送を試すレビュー:ユビキタス音楽環境のススメ(2/3 ページ)

» 2005年03月22日 11時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 双方のユニットには、このケーブルを接続するための6ピン・ミニDIN端子のほか、電源端子、電源スイッチ、そして、チャンネル設定用のディップスイッチがある。このディップスイッチは、無線チャンネルを決めるもので、送信側と受信側を同じ設定にしておく。ディップスイッチは4つで個別にオン・オフが可能だが、16チャンネルというわけではなく、単純に各々のオン・オフで1〜4チャンネルとなる。

photo 送信側のケーブルには、黄(コンポジット映像)・赤白(ステレオ音声)に加えて、小さな赤外線発光部ユニットと、ビデオスルー用の黄ピンがもう1本ついている

 無線チャンネル切替は、ほかの機器との干渉を避ける意味合いもあるが、効果は低いようだ。むしろ、「VT-2400」を同時に4対まで利用するための措置と思われる。両方のユニットの電源をオンにしてみると、無音状態でもすでにプチプチと小さなノイズが乗っている。チャンネルを切り替えてみても、あまり状況は変わらない。

 やはり、筆者のような“PC&AV機器&家電へビーユーザー”との相性はよくないようだ。無音状態だけでなく、音声出力時にもノイズは常に入る。無線LANとの干渉もあるが、それらを排除してみても小さなノイズは残るので、それ以前に多様な電子機器からの影響を受けていると思われる。ユニットやケーブルの向きを調整すれば改善可能だが、完全には解消できなかった。常にプチプチと小さなノイズが入ってきて、ちょうどレコードを聴いているような感じだ。

 また、リモコン発光部はあまり信号強度が高くないようで、目的の機器のリモコン受光部のかなり近くに置いてやる必要がある。最初、1メートルほどの距離に設置したところ、まったく反応せず、10センチほどにまで近づけてやって初めてリモコン操作ができるようになった。幸い、発光部はごく小さいので、至近距離への設置も特に困難ではない。

 もっとも、音声だけを聴いているとどうしても細かなノイズが目立つが、映像と合わせた場合、つまり、この製品の本来の用途であるテレビ視聴を楽しむ(あるいは、監視カメラの映像を飛ばす)程度であれば、あまり気にはならない。映像にもノイズが入るときもあるが、そもそもテレビ放送は電波障害の影響を受けやすいものだし。なにより、離れた場所の機器をリモコン操作できるのは便利だ。

 この特集のテーマである“PC上に保管された音楽を別の部屋から聴く”という用途を果たす製品としては、ほかにネットワークメディアプレーヤーもあるが、こうした製品と組み合わせてもいいかもしれない。

 PCのある仕事部屋などではそのまま映像や音楽を楽しみ、リビングではネットワークメディアプレーヤーで、さらに、そこから寝室からは「VT-2400」で無線リモコン操作、というスタイルもありえるだろう(ただ難点は、もう1台ネットワークメディアプレーヤーを買い足すのと、費用がさほど変わらないということだが……)。当然、2.4GHz無線LANは避けるべきだが、有線LANや5GHz無線LANとの併用であれば影響は少ない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.