ゼットエムピー(ZMP)は、2足歩行ロボット「nuvo」(ヌーボー)の市販を開始する。昨年3月のプロトタイプ発表以来、1年以上も音沙汰のなかったnuvoだが、量産機では4色のカラーバリエーションをそろえ、さらに鶴と亀をモチーフにした“蒔絵”バージョンも登場する。専用プロテクターやウィッグをオプション設定するなど、ファッション性を重視した家庭用ロボットになった。
ZMPは、“ロボットの伝道師”こと「PINO」を開発した「ERATO 北野共生システムプロジェクト」から技術移転を受け、2001年に発足したロボット専業メーカーだ。これまで、PINOの要素技術を切り出した「nuvo_sensor」や教育用2足歩行ロボット「e-nuvo」などを販売し、主に学術用途で提供してきた。nuvoも昨年3月から研究機関向けに300万円で販売していたが、今回の量産モデルは58万8000円とリーズナブルに。
受注は同日開始しており、ZMPのnuvo専用サイト(http://nuvo.jp/)で受け付ける。出荷は4月下旬の予定だ。また、青山にあるインテリアショップ「hhstyle.com青山店」では、4月13日から21日まで展示と受注を行う。
同社の谷口恒社長は、「量産へのステップは、非常に高いハードルだった」と話している。まず、量産に向けて外装の金型を起こすために機械設計を見直し、同時に挟み込みなどを防止する機構設計を追加した。
「われわれの考える家庭用ロボットとは、運動能力や音声認識、インターネット接続機能など家庭に求められる機能を網羅した“完成したもの”。外装から配線が見えてはいけないし、挟み込み防止や非常停止機能など安全性も確保しなければならない」(谷口社長)。
運動制御や伝送系も見直し、量産時に発生するバラつきに対応するとともに、低コスト化を図った。ロボットの製造は、精密機械大手のセイコークロックに依託。ロボットの心臓部にあたるCPUマザーボードの設計と製造、およびソフトウェア開発は、半導体大手のルネサス テクノロジがサポートしている。こうして、同社の考える家庭用ロボットがようやく形になった。「家庭用ロボットは、量産体制やサポート体制が整って初めて提供できるもの」。
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