nuvoの外装は、奥山清行氏がデザインしたプロトタイプのそれを継承している。変わったのは、左足に付いた「ZMP」のロゴ程度だ。全長は39センチ、重量2.5キロ。全身に15の関節とジャイロセンサーなどを持ち、歩行はもちろん、左右の転回、起きあがりなど、さまざまな動作を可能にする。電源はACアダプタもしくは内蔵バッテリーで、バッテリーの場合は連続約1.5時間の駆動が可能になる。
nuvoは自律動作はしないリモートコントロールタイプのロボットだが、ユーザーの呼びかけには愛嬌のあるリアクションとサウンドで応じる。nuvoの性格ともいえる、“キャラクター設定”とサウンドは、ピアニストの松谷卓さんが担当。キャラクターのイメージ合わせた「コミュニケーションとしての音楽」(松谷氏)が随所で流れる仕組みとした。また、蒔絵バージョンの「nuvo japanism」には、琴を使った専用の楽曲を提供するなど、凝り方も半端ではない。
人間の呼びかけに応えるときのリアクションは、“モーニング娘。”などの振り付けで知られる夏まゆみさんが挑戦。「こっそり、モー娘。の振り付けも入れておいた」らしい。
モー娘。に比べると、「nuvoは、言うことを聞かなかったみたい」(夏さん)というが、普段はユーザーの言うことをよく聞く。操作は音声認識もしくは専用の赤外線リモコンのほか、外出先から携帯電話で遠隔操作することも可能だ。
nuvo本体にはIEEE 802.11b無線LANが内蔵されており、宅内のルータなどを介してインターネットに接続。頭部の31万画素CMOSカメラで撮影した画像をPCや携帯電話の画面で確認できるため、セキュリティやペット監視にも活用できる。
また、ネットワークに常時接続しているnuvoは、アプリケーションサービスにより機能を追加できるのも特徴だ。谷口社長によると、ネットワークを介した情報提供やエージェント機能のほか、PIM(personal Infomation Manager)などのアプリケーションを開発中だという。
デモンストレーションでは、ユビキタスエンターテインメントが提供する携帯電話向けPIMサービス「UBIMEMO」と連携するアプリケーションを用い、nuvoがユーザーのスケジュールを管理する場面を披露した。携帯電話やPCを使ってスケジュールを入力しておき、nuvoに話しかけると内容を教えてくれる。
たとえば、朝になると「朝です。起きて下さい!」と音声でやさしく目覚まし。「今日の予定は?」と訊ねると、「13時から会議、19時からデート、21時から飲み会の予定があります」などと教えてくれる。
メールサーバに接続して、届いているメールの件数を教えてくれる機能もある。ユーザーが「メール届いてる?」と聞くと、nuvoはアカウントや重要度までをチェックし、「重要度の高いメールが1通、会社のメールが1通、自宅のメールが2通あります」などと報告する。
将来的には簡単な日常会話ができるアプリケーションを実装するという谷口社長。最後に、今後のロボット市場を3つのフェーズにわけ、製品計画とともに見通しを語った。
「今回発売するnuvoは、基本機能だけを実装した、いわばフェーズ1だ。2008年以降のフェーズ2は、ロボットをPINOのサイズにまで大きくし、キラーアプリを搭載して“なかなか使えるんじゃないか?”と言われるまでにもっていきたい。家庭用ロボットの市場を広げることになるはずだ」。
さらに、2011年以降のフェーズ3では、ロボットは人間のサイズとなり、価格もリーズナブルになるという。「アプリケーションを多く搭載して、ユーザーにとって“手放せないもの”と言われるようにする。次世代のライフスタイルを提案する、家電に近いイメージだろう」(谷口氏)。
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