「iTunes Music Storeが参入すれば日本の音楽配信はより活性化するはずだ。早く登場してもらいたい」というレーベルゲートの赤坂雄治氏。しかし、現在は「着うた」のヒットに代表されるように、日本では携帯電話向けサービスの方が盛んという現状もある。
デジタルオーディオプレーヤーの市場が拡大しても、「曲をダウンロードするのは携帯電話、CDからリッピングした曲を持ち運ぶのはデジタルオーディオプレーヤー」というスタイルが定着してしまっては、PC向け配信サービスの拡大は見込めない。どのようにPCでの音楽配信へユーザーを誘導するのか?
携帯電話向けの音楽配信サービスは、2005年4月6日にはauの「着うたフル」の累計ダウンロード数が500万曲を突破するなど好調に推移している。着うたフルは2004年11月19日に開始され、2005年1月5日には100万ダウンロードを達成したのち、3〜4月で200万ダウンロードを上積みし、500万曲を達成した。着うたフルの対応サイト数は現在24サイトで、対応楽曲は、約2万2000曲となっている。
「携帯電話向けサービスが好調であることは知っていますが、市場が違うと認識しています。PCと連携するタイプの携帯電話はとにかく、着信メロディ的なサービスについては私たちの領域ではないと考えています。携帯電話がどのように進化していくか分かりませんが、OpenMGやWindows Mediaが着信サービスに対応していない以上、私たちのビジネス領域にはマッチしないと思います」
携帯電話はダウンロード(入手)と試聴(体験)が一体化しているから利便性が高いわけだが、PC向けサービスの場合はその2つが分離しているからこそ、DRMの設定次第ではより柔軟性の高い運用が可能になる。以前はダウンロードしたPCでしか音楽を楽しめなかったが、現在ではポータブルプレーヤーへ持ち出すことはもちろん、多くの楽曲がCDへ保存することも可能になっている。“DRMの柔軟性をより高める”という方向性は検討されているのだろうか。
「サブスクリプション(定額制)サービスの可能性などは良く聞かれますが、レンタルサービスが普及している日本でそうしたサービスを提供するには、よほど準備を入念にしていないと難しいのではないかと思います」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR