次世代光ディスクの統一規格の協議がソニー・東芝の提携によって進められていると一部報道で伝えられた。
果たしてどこまで話し合いが進んでいるのか、気になる読者も多いことだろう。断片的ながらいくつかの情報が入ってきている。ここでは、それらの情報を集めながら、それらをつなぎ合わせてみることにしよう。
報道ではソニーと東芝が、それぞれに統一規格を見据えた提案を互いに提出しつつ、話し合いが進んでいるとされている。ソニーがBlu-ray Disc(以下BD)の0.1ミリ構造にHD DVDのソフトウェア技術を、東芝がHD DVDの0.6ミリ構造とソニーの多層記録技術を採用する提案を行い、消費者の利便性を優先した決着へと向かっている、というのが報道の大まかな流れだ。
しかしこの話の流れには、いくつか細かい点での相違があるようだ。
BDとHD DVDとの間にある標準規格を巡る争いは、その背景で常に統一規格の可能性が議論されてきた。これは約3年前、BDとHD DVDに規格分裂が明らかになって以降、断続的に行われてきたことで、ここ数カ月で急進している話ではない。
また東芝(HD DVD側)との交渉がソニー単独で行われている可能性も低い。統一規格の提案は、その時々に行われているが、そこには松下電器産業も必ず関わっており、HD DVDの規格を堅持したい東芝に対してBlu-ray Disc Association(BDA)の中で技術面を主導しているソニー・松下が妥協案をぶつけるといった展開で進んでいるようだ。
ただしそこで何らかの進展があったのか? と言えば「まだ進展はない」というのが、関係者の一致した見解。「なぜこのタイミングでの報道があったのか、まずそこが全くわからない」と話す者もいる。
ソニー・広報は今回の件に関し「ソニーは常にお客様にとって、もっとも良いユーザー環境を提供することを考えております。次世代光ディスクに関しては、競合との話し合いを含めてより良い技術の開発と提案を行っていきます」とのみコメント。
一方、東芝の広報も「今回の報道に前後して何か大きな意志決定や話し合いが行われている事実はありません。従来通り、ユーザーの利益になる統一フォーマットに向けた話し合いは行っていますが、具体的な進展はございません」としている。また、年末に予定しているHD DVDプレーヤの発売に関しても、統一フォーマットに向けて大きな進展がない限り「予定通りに発売すべく開発を進めています」と話している。
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