レンズが円柱状に動くので、一定の焦点距離に保つためにこうなっているのだろう。仕組みが単純なので、一見デジカメでもできそうなのだが、湾曲した撮像素子というのは今まで見たことがない。こういった発想自体が、フィルム文化ならではなのだろう。
HORIZONにはF2.8〜16までの絞りと、1/250〜1/2までのシャッタースピード設定はあるが、本体には露出計が付いていない。もちろんフィルム感度の設定もない。露出はカンで適当に撮るか、別途露出計を使う必要がある。またフォーカスもなく、0.5メートルから無限遠のパンフォーカスとなっている。
シャッタースピードの設定は独特なので、説明の必要があるだろう。HORIZONのシャッタースピードは、1/250、1/125、1/60、1/8、1/4、1/2の6段階。しかしレンズがスイングする早さは、フィルム巻き戻しノブのところにあるレバーで切り替える2段階しかない。
これでどうやってシャッタースピードが変わるのかというと、カメラ内部からレンズが見えるスリット幅が変わるだけなのである。つまり絞りが2段階あるようなものだ。シャッタースピードの速いほうから3つは高速スイングに、遅い方3つは低速スイングに切り替えたときに有効となる。
HORIZONのファインダーを覗いてみると、一応ここにもワイドレンズになっていて、実際に撮れるフレームを確認することができる。しかし筆者のようにメガネをかけていると、目がファインダ部にピッタリ付けられないので、若干狭い範囲でしか見られない。
そもそもこのカメラは、「画角を決める」という段階で勝負のほぼ8割が決まる。筆者の経験からすると、ここはメガネを外してでもちゃんとフレームを確認したほうがいいようだ。もちろん視度調整などという気の利いた機構はないので、筆者のように近視だと風景はぼやけたままだが、それでもやる意味はある。
ファインダー窓の下には、天井にある水準器が写り込むようになっている。これで水平をきちんと取らないと、地面が曲がってしまうのである。だがあまりそれにとらわれすぎてもいいアングルが決められないので、一応気にしつつもケースバイケースで判断していく。
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