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中国版フォトエキスポに行ってきましたチャイナP&Eレポート(1/5 ページ)

» 2005年05月17日 17時37分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 「チャイナP&E」は、中国最大規模のカメラ博覧会だ。正式名称を「第8届中国国際照相机械影像器材与技術博覧会(2005 China International Photograph & Electrical Imaging Machinery And Technology Fair)」といい、日本語に訳すと「第8回中国国際カメラ撮影機材と技術博覧会」という感じになるだろう。

 いわば“中国版フォトエキスポ”である。中国機械工業連合会、中国撮影家協会などのカメラ関連の業界団体が中心となって主催し、1998年から年1回のペースで行われている。昨年の第7回には国内外から200近くもの企業が参加した。出展企業の数では、日本のフォトイメージングエキスポを上回る。

photo 会場となった北京の中国国際展覧中心。会期は2005年4月24日〜27日。入り口付近には、気のせいか他の国旗よりも目立つ位置に日の丸が堂々と掲げられ、ソニーの広告もでかでかと張られていた

 しかし今回は、当初出展すると報じられていたオリンパス、カシオ計算機、キヤノン、コニカミノルタ、三洋電機、ニコンなどが参加を見合わせたため、少しさびしい展示になってしまった。反日デモや不買運動の影響であることは言うまでもない。

 主催者側は安全を保証する旨を通告するなど、日系企業の参加辞退を防ぐ努力をしたが、その甲斐はなかった。これまで積極的に中国進出を図りながら、反発を受けたとたんに腰が引けるのは少々だらしないとか、中国は中国でせっかくの国際博覧会の規模が縮小したのは自業自得だとか、私個人としての思いはいろいろある。だが、それを述べる場ではないので話を先に進めよう。

 数少ない日系企業として参加したカメラやレンズの主要なメーカーは、シグマ(適馬株式会社)、ソニー(索尼公司)、タムロン(騰龍光学佛山有限公司)、富士写真フイルム(富士膠片中国投資有限公司)などだ(カッコ内は現地法人名)。

photo 画面奥は、富士写真フイルムのブース。手前左はタムロン、右はアグファ。来場者の大多数は中国人だが、日本製品の注目度は依然として高いと感じられた
photo ソニーやシグマも大きなブースを構えていた。取材したのは最終日の平日だったので、人の数はそれほど多くなかったが、新聞やウェブで大きく取り上げられるなど、中国のカメラ業界やカメラマニアにとっては最大のイベントだ

 ただし、これら参加した日系企業の製品に関して、この会場で初公開となるものは特に見当たらなかった。そこで今回のレポートは、日本では紹介されることが少ない、韓国や中国、台湾のデジカメを中心にレポートしたいと思う。いずれも日本で発売する可能性は低いが、中国旅行のお土産として買うのも一興だ。

photo 日系企業に代わって今回の主役となった韓国メーカー、サムスンの巨大広告。同社のデジカメ「Digimax」シリーズは中国では日本製品に匹敵するほどの人気があるという
photo 光学3倍ズーム搭載の710万画素機サムスン「Digimax V10」。丸みを帯びた横長コンパクトボディで、2.0インチ液晶、4センチマクロ、MPEG-4動画モードなどを搭載する

韓国サムスンのフラッグシップ機とスリム機

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