中国メーカーとしては、上海海鴎数碼影像股フェン有限公司が比較的大きなブースを構えていた。同社は中国有数のカメラメーカーであり、日本のカメラマニアにもなじみが深いはずだ。「海鴎」または同社のブランド名「シーガル」と聞けば、6×6判の2眼レフカメラを連想する人も多いだろう。
今回の展示で、同社がフィルムカメラ以外で力を入れていたのは双眼鏡タイプのデジカメ「DB8201」だ。撮像素子に210万画素のCMOS、液晶モニターに1.5インチ、記録メディアにSDメモリーカードを採用する。
かつてペンタックスが同じようなアイデアの双眼鏡デジカメを発売していたほか、台湾などの外国メーカーにも同種の製品がある。なので特に目新しさは感じないが、2代で途絶えたペンタックスの双眼鏡デジカメの後継(ではないが)のような製品が、こんなところで見つかったと考えればおもしろい。どこかのOEMの可能性もあるが、そんなことはどっちでも構わない。あの海鴎のデジカメというだけで、往年のカメラファンにとってはわくわくする。
海鴎は、これまでにもローエンドクラスのデジカメを数々発売しているが、主力製品は従来型のフィルムカメラに戻すというニュースが以前にあった。このDB8201のような風変わりなデジカメに活路を見出すのかもしれない。
海鴎と並ぶ中国老舗の光学メーカー、鳳凰光学股フェン有限公司も出展していた。ただし、鳳凰はデジカメ分野から撤退したため、フィルムの一眼レフ機「フェニックス」が中心の展示だった。中国ではデジカメが大躍進しているとはいえ、まだまだフィルムカメラの需要も高い。
そのほかの中国メーカーもいくつかのデジカメを出品していたが、際立った製品は見つけられなかった。以前にレビューで紹介した愛国者に関しては、ハードディスクストレージなどの周辺機器の出品はあったものの「V815」の本体は見当たらなかった。
話はそれるが、その愛国者V815のレビュー記事は、その後に中国のPC関連のサイトに全文の中国語訳が無断で掲載され、中国製デジカメを日本人が評論したということで、少し話題になったようだ。会場で知り合った中国人記者によると、内容が好意的に書かれていたため、あの記事は広告ではないかと疑った中国人読者も少なくなかったという。まさか反日デジカメの広告を日本人である私が書くわけがない。
それともう1点。愛国者V815の存在自体を知らなかった中国人も多いという。せっかく多少まともな製品を作っても、企業として宣伝し販売する力がなければ、どうにもならないだろう。
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