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中国版フォトエキスポに行ってきましたチャイナP&Eレポート(3/5 ページ)

» 2005年05月17日 17時37分 公開
[永山昌克,ITmedia]

中国シーガルの双眼鏡タイプの210万画素機

 中国メーカーとしては、上海海鴎数碼影像股フェン有限公司が比較的大きなブースを構えていた。同社は中国有数のカメラメーカーであり、日本のカメラマニアにもなじみが深いはずだ。「海鴎」または同社のブランド名「シーガル」と聞けば、6×6判の2眼レフカメラを連想する人も多いだろう。

 今回の展示で、同社がフィルムカメラ以外で力を入れていたのは双眼鏡タイプのデジカメ「DB8201」だ。撮像素子に210万画素のCMOS、液晶モニターに1.5インチ、記録メディアにSDメモリーカードを採用する。

photo 海鴎のブースでは、双眼鏡デジカメ「DB8201」のほか、横長スタイルの519万画素機「SDC515」なども展示されていた
photo 海鴎「DB8201」は、倍率8倍の双眼鏡に、1/2型210万画素CMOSや1.5インチ液晶を組み込んだデジカメ。3倍のデジタルズーム機能も備える

 かつてペンタックスが同じようなアイデアの双眼鏡デジカメを発売していたほか、台湾などの外国メーカーにも同種の製品がある。なので特に目新しさは感じないが、2代で途絶えたペンタックスの双眼鏡デジカメの後継(ではないが)のような製品が、こんなところで見つかったと考えればおもしろい。どこかのOEMの可能性もあるが、そんなことはどっちでも構わない。あの海鴎のデジカメというだけで、往年のカメラファンにとってはわくわくする。

 海鴎は、これまでにもローエンドクラスのデジカメを数々発売しているが、主力製品は従来型のフィルムカメラに戻すというニュースが以前にあった。このDB8201のような風変わりなデジカメに活路を見出すのかもしれない。

photo 海鴎シーガルブランドのコンパクト300万画素デジカメ。ケース内のみの展示であり、詳細は不明。ボディ前面には、自分撮り用に使えそうなミラーが装備されている

 海鴎と並ぶ中国老舗の光学メーカー、鳳凰光学股フェン有限公司も出展していた。ただし、鳳凰はデジカメ分野から撤退したため、フィルムの一眼レフ機「フェニックス」が中心の展示だった。中国ではデジカメが大躍進しているとはいえ、まだまだフィルムカメラの需要も高い。

 そのほかの中国メーカーもいくつかのデジカメを出品していたが、際立った製品は見つけられなかった。以前にレビューで紹介した愛国者に関しては、ハードディスクストレージなどの周辺機器の出品はあったものの「V815」の本体は見当たらなかった。

 話はそれるが、その愛国者V815のレビュー記事は、その後に中国のPC関連のサイトに全文の中国語訳が無断で掲載され、中国製デジカメを日本人が評論したということで、少し話題になったようだ。会場で知り合った中国人記者によると、内容が好意的に書かれていたため、あの記事は広告ではないかと疑った中国人読者も少なくなかったという。まさか反日デジカメの広告を日本人である私が書くわけがない。

 それともう1点。愛国者V815の存在自体を知らなかった中国人も多いという。せっかく多少まともな製品を作っても、企業として宣伝し販売する力がなければ、どうにもならないだろう。

photo 写真を引き伸ばして額に入れたり、お皿やバッチ、水筒、ジグソーパズルなどに加工する機械を販売する会社、京欣麗の展示。ちなみに中国の営業写真館は盛んであり、結婚式などの記念日には相当な金額をかけて豪華な写真を撮ることが多い
photo サードパーティの電池メーカー、上海科力電源有限公司では、主要各社のデジカメ用バッテリーを取り揃える。純正品の半値以下で買えるものもあり、お買い得かもしれない
photo 折りたたみ式の液晶フードを販売する香港のメーカーJENIS。コンパクト機からデジタル一眼レフ機まで、各機種専用のフードを用意する。液晶カバーには、大胆にもメーカーと同じ書体でロゴが彫られているものもあった
photo 一眼レフ機のバッテリーグリップやバッテリー、リモートレリーズ、フード、キャップなどを手掛けるする深センのメーカー、永シン天馬撮影器材有限公司。手前左のポスターはニコン「D70」用のバッテリーグリップ
photo 独自仕様のバッテリーグリップ、および液晶フードを取り付けたキヤノン「EOS 20D」と「EOS Kiss Digital」。EOS 20D用のバッテリーグリップは800元(1元13円で1万400円)とのことだ

台湾Premierの1/1.8型810万画素デジカメ

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