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“通信ならでは”のワンソース・マルチユース――4th MEDIAの事業戦略(1/2 ページ)

» 2005年07月01日 22時31分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ぷららネットワークスとオンラインティーヴィは7月1日、フレッツユーザー向けの多チャンネル放送&VoDサービス「4th MEDIA」の事業戦略を発表した。あわせて、次世代STB(セットトップボックス)やイタリア「セリエA」の7チームの独占放送権などを獲得したことなどを明らかにしている。

 「4th MEDIA」は、NTT東西地域会社のIPv6網を使うIPベースの映像配信サービスだ。専用STBをテレビとブロードバンド回線に繋ぎ、計49チャンネルの多チャンネル放送やオンデマンドビデオを楽しめる。同社は昨年7月のサービス開始以来、テレビチャンネルを16追加し、ビデオタイトルも当初の3倍にあたる4500タイトルまで増やした。

 ただし、会員数は2万1323人(6月29日現在)と、当初の目標であった20万人には遠い。この点についてぷららネットワークスのパートナー兼シニアストラテジストの中岡聡氏は、「会員数はまだこれからだが、増加ペースは上がっている。サービス開始から1万人を突破するまでには約8カ月かかったものの、2万人までは3カ月間で達成した」と話す。

photo ぷららネットワークスのパートナー兼シニアストラテジストの中岡聡氏

 現在のサービス対象は、対応ISP(ぷらら、BIGLOBE、@nifty、hi-ho、So-net)の会員で、ブロードバンド回線に「Bフレッツ」もしくは「フレッツADSL」を利用しているユーザー。そしてIPv6対応の「FLET'S.NET」を導入する必要がある。ただ、こうしたハードルの高さより、「ADSLユーザーには、回線速度や安定性に疑問を持つケースが多い」ことが入会の障壁になっていると中岡氏は分析している。

 また、会員の約9割がBフレッツユーザーというデータから、今後は光回線にフォーカスを絞ったマーケティングを展開。改めて来年度に10万加入を目指すという。「日本で多チャンネルサービスを楽しんでいる家庭は、まだ全体の20%に満たない。残り80%が潜在的な需要として残されている。光回線に的を絞り、できればBフレッツユーザーの20〜30%が加入する状態まで持っていきたい」。

無線LANにも対応するSTB

 公表された第2世代のSTBは、“より家電ライクな使い勝手”を目指して開発したもの。本体は従来よりも一回り小さいサイズで、新たにD1端子と光デジタル音声出力を備える(従来はS端子とコンポジットのみ。2/4/8倍速の早送り/早戻しや一時停止、コマ送りなどのトリックプレイは従来機種と同じだが、チャンネル切り換え時のディレイタイム短縮、前回試聴時に止めた場所から再生を始める「レジューム機能」などの機能強化が図られた。また、背面にはUSB2.0ポートが2つあり、ここに接続する無線LANアダプタも開発中だ。

photo 今秋には投入したいという新しいセットトップボックス。
photo 背面にはD1端子と光デジタル音声出力が付いた
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