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NECアクセステクニカ、新5GHz帯に対応したAterm新製品

» 2005年07月07日 13時22分 公開
[ITmedia]

 NECアクセステクニカは7月7日、IEEE 802.11a/b/gをサポートしたワイヤレスルータ「Aterm」シリーズの新製品として、IEEE 802.11aの新チャンネルに対応した「AtermWR7850S」「AtermWR6650S」ならびにPCカードタイプの無線LANアダプタ「AtermWL54SC」を発表、7月下旬より出荷を開始する。

photo AtermWR7850S(左)とAtermWR6650S

 ルータ単体およびカードとのセット(「AtermWR7850Sワイヤレスセット」「AtermWR6650Sワイヤレスセット」)が用意されており、価格はオープン。実売価格はAtermWR7850Sが1万5800円、AtermWR7850Sワイヤレスセットが1万7800円、AtermWR6650Sが1万2800円、AtermWR6650Sワイヤレスセットが1万4800円、AtermWL54SCが6800円の見込み。

photo PCカードタイプの無線LANアダプタ「AtermWL54SC」

 新製品はいずれも5月16日に施行された「電波法施行規則の一部を改正する省令」に基づき、IEEE 802.11aの新たに設けられた8チャンネル(W52/W53)に対応した。.11a/b/gの合計21チャンネルから周囲の状況や電場状況にあわせたチャンネルを選択できる。

 この省令では、これまでIEEE 802.11aが使用していた5150M〜5250MHz帯(J52/W52)に加えて、5250M〜5350MHz(W53)を無線LAN用として割り当てている。しかし、5250M〜5350MHzの周波数帯は気象用レーダーも使用している帯域であり、この帯域を使用する無線LAN機器には、レーダーの干渉波を検出して周波数を変更する仕組みのDFS(Dynamic Frequency Selection)が必要とされており、新製品もDFSを備えている。

 しかし、DFSは「電波の送出を開始する前に1分間のスキャンを行い、空いているチャンネルを探す」「使用中にレーダー波を検出した場合、10秒以内に該当するチャンネルの使用を停止する」といった要求仕様が定められており、ユーザーに運用上の手間をかけさせることになりかねない。同社では「IEEE 802.11aについては、できる限りW52での運用を推奨する」としており、新製品もW52がデフォルトのチャンネルと指定されている。

 「AtermWR7850S」は、使用周波数帯の異なるIEEE 802.11a/b/gを同時に利用できるブロードバンドルータ。SSIDや暗号化設定のほか、電波出力の強弱や停止、ESS-IDステルス機能やMACアドレスフィルタリングのオン/オフは.11a側(5GHz)と.11g/.11b側(2.4GHz)で独立して設定できる。一方の「AtermWR6650S」は、IEEE 802.11aと.11g/.11bを切り替えて利用するタイプ。

 両機種も高速化技術「Super AG」に対応しており、対応クライアントとの組み合わせではより高速なスループットを実現するほか、通信可能領域を拡大する「XR」にも対応している。AtermWL54SCはアンテナ部分が小型化されたほか、形状もフラットになり、他のPCカードとの2枚差しも可能になった。

photo AtermWL54SC(上)はアンテナ部分が小型化され、形状もフラットになった

 本体のボタン操作だけで各種の設定を自動的に行える「らくらく無線スタート」も引き続き搭載する。対応無線LANアダプタをセットしてドライバとユーティリティ(サテライトマネージャ)をインストールした後、音声ガイドにしたがってルータの背面にある「らくらくスタートボタン」を押すと、SSIDや暗号化キーなどが自動設定される。

 また、添付ユーティリティの「サテライトマネージャ」も強化された。他機器が使用しているチャンネルとその電波強度、チャンネル間の干渉状況をグラフで表示するため、電波状態の把握を直感的にとらえることが可能になった。

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