レンズは焦点距離38〜114ミリ相当の光学3倍ズームレンズで、レンズの明るさはF3.3〜F4.0。撮影距離はワイド端で10センチ、テレ端で50センチから∞まで、全域でマクロ撮影に対応する点は便利。
ワイド端でやや樽型の収差があるが、このクラスではそれほど気にするレベルではないだろう。
描写はしっかりしており、解像感も高い。比較的自然な色乗りで、不自然な感じのない、落ち着いた色味が表現され、安心感がある。オートホワイトバランスも正確に働いているようだ。
ISO感度はオート/50/100/200/400。オートではISO50〜160まで変動する。高感度でのノイズは多めで、ISO400になると、画面全体がノイズでざらつく。ISO200でも特に暗部でノイズが多く、常用するならばISO100以下、できればISO50で撮影したいところ。もちろん、手ブレよりははるかに有効な場合も多いので、フラッシュが使えない場合は積極的に利用した方がいいだろう。
通常のマクロモードはないが、シーンモードにはスーパーマクロが用意されている。このとき、カメラ前面から5センチの距離まで近づくことができる。個人的にはもう一歩、と言いたいところだが、一般的な使用では十分だろう。
電源は充電式リチウムイオン電池「NP-700」を利用する。棒状の小型バッテリーで、CIPA準拠で約150コマの撮影が可能。小さいだけあって少々撮影可能枚数が心もとない点が気がかりだが、バッテリーも小型なので、予備電源を持ち歩くと良さそうだ。
記録媒体はSDメモリーカードを採用。約15Mバイトの内蔵メモリーを搭載する。最大画素/ファインモードで6枚程度しか撮影できないが、緊急避難用としてはありがたい。
動画は320×240・最大30fpsで、最近の動画に力を入れたデジカメと比べるとスペックは劣るが、このあたりは割り切りだろう。
X60は、とにかく片手での操作が快適なカメラだ。もちろん、カメラの基本は両手で構えることだが、ポケットからさっと取り出し、流れるようにレンズカバーをスライドさせ、悩むことなくさっと撮影する――そんな使い方に適したカメラといえる。
進化したとはいえ、携帯電話のカメラ機能はやや不満、でも同じぐらい気軽に、快適に撮影したいというユーザーにお勧めのカメラだ。
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