ITmedia NEWS >

気軽に使えるコンパクトさが魅力――三洋“ムービッシュ”レビュー:ポータブルDVD特集(2/3 ページ)

» 2005年08月05日 00時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 液晶画面を開くと、右側のわずかな部分にカーソルのほか、停止、前/後スキップなどの再生制御ボタンが並ぶ。コンパクトサイズということで、本体上面の面積のほとんどをDVDドライブが占めている格好だ。本体手前のロックをスライドさせると、DVDドライブのカバーが開く。小型化を優先したせいか、DVDドライブのカバーは強度面で少々頼りない。また、閉めた状態でも、本当にきちんとセットされているのか、不安を感じてしまうほど。

photo コンパクトなため、本体のほとんどをDVDドライブが占めている。右側の手前にはカーソルボタンと決定、奥にはワイド(画面サイズ切替)とメニューに加え、再生制御ボタンが並ぶ。
photo DC端子は電源スイッチの隣にある。ケーブルがやや短いこともあり、電源を接続した状態ではやや窮屈かもしれない

 ディスクをセットして、カバーを閉じると、15秒ほどでディスクが認識され、それから4〜5秒程度で再生が始まる。回転音はほとんどしないが、ディスクのシーク時などに、「キュイン、キュイーン」という高音が聞こえる(特に認識不可能なディスクを入れた場合などは盛大)。ただ、それも決して大きくはなく、ヘッドフォンや内蔵スピーカーの音に埋もれてしまうレベルだ。

 バッテリーは内蔵式で、しかも、本体サイズの小ささからして、あまり大容量とは思えない。となると、連続再生時間にも期待はできなさそうだ。マニュアルにも“フル充電から2時間20分の使用が可能”と書かれている。映画を1本観てしまうと、残りはほとんどないわけだ。

 実際に試してみると、2時間28分でいきなり画面が消灯。それでも音だけは鳴り続け(画面もときどき薄明るくなったり、点滅したりする)、最終的には2時間30分で電源ランプが消え、音も出なくなった。余裕を持たせて終わるのではなく、完全にバッテリーがなくなるまで続け、ブチッと切れる感じだ(実際、音もブチッで終わる)。もちろん、電源を入れ直しても、動作はしない。

 その状態から1時間だけ充電し、再生を再開すると、1時間3分で画面消灯、1時間5分で完全停止となった。東芝「SD-P1600」やパナソニック「DVD-LX95」でも同様だったが、現在の多くの製品では「充電した時間=動作する時間」と捉えればいいようだ。フル充電までの時間は仕様に書かれているとおり、3時間弱ですむ。

 ほかの製品と同様に、充電は電源オフの状態でのみ実行される。電源はスライドスイッチなので、手動で切るのを忘れないようにしないといけない。本体を閉じると、画面は消灯されるが、ヘッドフォンはもちろん、内蔵スピーカーのほうからも音を出力し続ける。

 再生できるディスクは、市販のDVDビデオのほか、DVD-R/RWにも対応するが、ビデオモードで記録されたものに限られる。よって、CPRM(コピーワンス)ディスクには非対応だ。また、DVD-RAMはディスク自体に対応していない。もちろん、オーディオCDは再生可能なほか、CD-R/RW(ISO9660フォーマット)に保存されたMP3やJPEGも読み込める。

 MP3は、サンプリング周波数が44.1と48kHz、ビットレートが32〜320kbps(可変も含む)に対応しているので、再生できないケースは少ないと思われる。ID3タグに対応していない点は残念だ(パナソニック「DVD-LX95」でも非対応だったが、いちおうHighMATが使える)。またJPEGは、3072×2048ピクセルまでの画像ファイルが表示できる。

 片面2層の書き込み型DVDに関しては、DVD-R DLの場合、通常に再生が開始されたものの、途中で止まってしまう。つまり、1層目だけ読めて、2層目はダメな感じだ。一方、DVD+R DLは問題なく最後まで再生できた。ただし、いずれにせよ、仕様として再生可/不可が記されているわけでもなく、記録方法によっても結果は異なると思うので、あくまでも参考程度としてほしい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.