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多機能を駆使できる低価格のデジ一眼――ニコン「D70s」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年08月22日 18時27分 公開
[永山昌克,ITmedia]

APS-Cサイズの610万画素CCDを搭載

 D70sの撮像素子は、前モデルD70と同じく、APS-Cフィルムサイズの有効610万画素CCDを採用する。まったく同一ではないらしいが、サイズや画素数は下位モデルD50とも同じである。

 発色の傾向は、鮮やかでパッと見の印象がいいD50に比べると、D70sは彩度やシャープネスの強調が控えめだ。また露出がアンダーに写ることも多かった。レタッチの素材として撮る場合はそのほうが都合がいいともいえるが、そのまま印刷する用途では、ちょっと暗めで地味にも感じる。目的や狙いに応じて、画質の傾向をカスタマイズするといいだろう。

 また、ホワイトバランスの設定をオートのままにしておくと、青や黄色が強めに出る場合があるので、ホワイトバランスも適時切り替えるのがいい。ISO感度は、ISO200からISO1600までの間を1/3ステップで細かくセットできる。ノイズは少なめでISO800くらいまでなら、ざらつきはあまり気にならない。

 手軽さではD50に分があるが、絞りやシャッター速度の調整をはじめとする様々な機能を駆使するにはD70sのほうが向いている。もちろん上位のD2シリーズなら、さらに多機能を使えるが、あっちはD70sを4、5台買えるくらい高い。

photo 仕上がり設定をデフォルトの「標準」で撮影。デフォルトのカラー設定は、誇張を抑えた発色の「モードIa」であり、中間調から暗部までの階調がきれいに出ている
photo 仕上がり設定の「カスタマイズ」を選択。カラー設定を「モードIIIa」にして発色にメリハリを与え、輪郭強調を「なし」にすることでエッジをソフトにした。好み次第で画質の傾向を自由に変えられる
photo ISO200で撮影。これまでの同社製デジタル一眼レフ機と同じく、最低感度はISO200とやや高い
photo ISO400で撮影。ISO200よりも、影になった部分にざらつきが生じるが、常用しても特に問題はない
photo ISO800で撮影。レンズ一体型のデジカメとは違い、ISO800でも大きな破綻はなく、十分に実用的といえる
photo 最高感度のISO1600で撮影。ISO1600でこの画質なら、さらに高感度を選べるようにしてほしかった

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