富士通フロンテックと富士通研究所は9月13日、荷物の搬送や見回り、案内業務などが行えるサービスロボット「enon」(エノン)を発表した。昨年9月に公開した試作機を軽量化し、安全機能を追加。実用機として、商業施設や企業を対象に限定販売するという。
enonは、身長130センチの人型ロボット。両腕と頭はあるが脚はなく、2つの駆動輪を使って移動する。移動時は6個のカメラとセンサー類を使用して自律的に障害物を避け、液晶モニターや音声認識機能で人間とコミュニケーションをとる。案内、誘導、搬送、巡回、見回りなど幅広い用途を想定した「人の役に立つ実用ロボット」だ。
ちょうど一年前に公開された試作機と比べると、随分人間に近いイメージになったことがわかる。身長は変わらないが、約10キログラムの減量に成功。肩幅も10センチ狭くなるなど、全体的にスリムになった。丸くなった頭部には、目や口を模したLEDが付き、片目を閉じたり(消灯)、口の色を変化させたりして微妙な表情を表す。
頭部は上下左右にパン/ティルトが可能。胸にはタッチパネル付きの10.5型液晶モニターを搭載し、操作やコミュニケーションに利用する。このあたりは試作機と同じだ。
腕は、4自由度から5自由度に機能強化され、0.5キログラムまでの物なら片手で掴んで持ち上げることができるようになった。片手にカゴを持ち、中にあるパンフレットを手渡すといった複雑な動作も“お手のもの”だ。
人の近くで活動するロボットならではの“安全性”にも配慮した。たとえば、稼働部は挟み込みを防止するために極力隙間をなくし、また人にぶつかったりした場合には、自動的にトルクを抜いて衝撃を緩和する「モーターセーブ」機構を備えている。なお、安全性検証のため、NPO安全工学研究所の安全鑑定を受ける予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR