ニコンから登場した「COOLPIX Pシリーズ」は、“とうとう出てきた”という表現にふさわしいモデル。幾度となく展示会などで公開されていた「デジカメに無線LAN内蔵」を実現したのが、今回のシリーズだ。
ほぼ同時期に米Kodakも無線LAN内蔵カメラを発売するが、一瞬だけニコンの方が発表は早い。ニコンが9月23日、Kodakが10月からの発売なので、今回のPシリーズが、「世界初の無線LAN内蔵コンパクトデジカメ」と言うことになる。
無線LAN内蔵による利便性や使い勝手を含めて、8メガCCD搭載のCOOLPIX P1の実力を見てみよう。
まず無線LANはおいておいて、ボディから見てみよう。外観はいつも通りのCOOLPIXといった感じのデザイン。コンパクトながらもしっかりとしたグリップと伝統的なカメラライクなスタイルは、COOLPIX 7900/7600などと基本的には同等だ。
デザイン的には、イマドキのデジカメのように薄型でデザインコンシャスな部分はなく、意外性もないが、使う際の安心感はある。何より、このグリップはニコンのこだわりであり、実際に持ちやすく、撮りやすい。特に薄型コンパクトデジカメを触った後だと余計にそう感じる。
ボタン配置などはCOOLPIX 7900を踏襲したものとなっており、上部に電源ボタンとシャッターボタン、モードダイヤル、背面右側にズームボタンやマルチセレクターなどのボタン類が集約されている。
液晶は今はやりの2.5インチサイズのアモルファスシリコンTFT透過型液晶を搭載。画素数は11万画素なのでそれほど高精細ではないが、ひとまず平均的なレベルだろう。
COOLPIX 7900では2インチだった液晶が大型化した点はうれしいが、逆に光学ファインダーが省かれたのは残念。もっとも、コンパクトデジカメにおいては光学ファインダーの搭載は必須ではないのだろうが。
2.5インチ液晶は特別秀でたレベルではないが、輝度も視野角も実用レベル。ただ、再生時に画面送りをしていると、最初に荒い画面が表示されて、その後きちんと写真が表示されるのだが、その一瞬のタイムラグがやや気になった。
デザイン的な特徴としては、正面から見て右側面にある黒い出っ張り。ここに無線LANモジュールが配置されている。COOLPIX 7900とはスピードライトの位置が異なっており、右端からほぼ中央に移動された。この部分に無線LANモジュールが搭載されているのだろう。
黒い部分にはアンテナとワイヤレス通信時に青く光るLEDが納められている。デザイン的にはやや唐突な印象で、もう少し隠れてくれると収まりが良かったように思える。
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