ITmedia NEWS >

ウサギ型ロボットが手伝うインタフェース──未来が見える日立ブースCEATEC JAPAN 2005(1/2 ページ)

» 2005年10月04日 20時51分 公開
[小山安博,ITmedia]

 日立製作所は、CEATEC JAPAN 2005ブースでウサギ型ロボットを使った対話型のインタフェースやCF Type IIサイズに収まる光メディアなど、新技術の展示を行っている。

photo 日立ブース

ウサギ型ロボットと対話するインタフェース

 「マルチモーダル対話技術による知的ユーザーインタフェース」と名付けられた新しい技術は、顔認識や音声認識、ユーザーの嗜好データなどに基づき、高機能化するAV機器、放送の多チャンネル化における快適なインタフェースを目指したもの。

photo ウサギ型ロボット。声のする方に首を動かす

 中心となるのはウサギ型ロボットで、音声認識用に8個のマイク、顔認識用のカメラ、音声合成用スピーカー、目の表情を示すディスプレイからなり、声のする方向に振り向いて人の顔を判別、認識したユーザーの嗜好からテレビ番組を推薦する。

photo HDDレコーダーに記録した映像一覧の表示を指令すると、自動的にこの画面を呼び出し、「右」「左」といった声の指示でサムネイルからムービーを選択できる

 さらにロボットは人の動きも検知、今まで認識していた人物が視界から外れると、テレビの視聴を中断したと判断、画面を一時停止し、その人が再び戻ってくると自動で再生をしてくれる。

 HDDレコーダーに録画した番組やEPG(電子番組表)の操作も、「録画一覧」や「6時」と声で指令を出すだけで行える。指令に対しては音声合成によるなめらかな応答をしてくれるのだ。

 「声で指令を出すのに、テレビを見ていてはおかしい」という理由から今回はウサギ型ロボットを使ったらしい。あくまで技術デモであり、これらの技術の実用化は3年をめどにしているという。

 照明と騒音が入り乱れる展示会場のため、デモでは一部誤認識もあったが、すでに完成度はかなり高そう。開発は同社の中央研究所で、3日に発表、今回初めて一般に披露する技術なのだそうだ。

VIA EDENプラットフォームでハイビジョン放送を8ストリーム

 AV機器向けの高速I/O処理ミドルウェアは、ストリーム管理/データ処理/I/O処理ミドルウェアとなる「HPSM」と、複数のリアルタイムストリームの同時処理を補償する高性能ファイルシステム「AVFS」からなる。

photo SH7780を採用したSTB。HD映像の4ストリームを同時に行っている
photo それでもまだいくぶん余裕があるようだ

 HDDやOSはいじらず、ミドルウェアの置き換えだけで複数ストリームが実現できる点が特徴で、VIAのEDEN 600MHzを使った場合、今まで3〜4本程度が限界だったHD映像のストリームを、8本程度まで拡大できるという。組み込み系で利用されるSH-4A 384MHzの場合でも、4本までのストリームに耐えられるらしい。

 これを使うことで、ハイビジョン放送をリビングのセットトップボックスで受信、ネットワーク経由で自宅内の各部屋にHD映像を配信しつつ、テレビで視聴、HDDレコーダーに録画する、という芸当が同時に行える。しかもハードウェア自体は既存のもので十分に対応できるという。

 先行してHPSMを開発、新Priusに搭載されたが、HPSMだけではストリームの同時処理が保証できないことから、新たにAVFSの開発に着手、来年には製品化したいという。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.