次世代DVDの熱いバトルが繰り広げられている今年のCEATEC。HD DVDプロモーショングループが気勢を上げた10月5日、夕方に行われた最後のキーノートで、対抗勢力のBlu-ray Disc(BD)陣営もパネルディスカッションを行った。
「Blu-ray Discが実現する素晴らしき世界」と題されたパネルディスカッションには、Blu-ray Disc Association(BDA)に加盟するハードメーカー/コンテンツベンダーの代表として、ソニー コーポレート・エグゼクティブSVPの西谷清氏、20世紀フォックスホームエンターテイメント シニア バイスプレジデント ビジネス&テクノロジー ストラテジーのローイ・キャネル氏、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社 蓄積デバイス事業・アライアンス推進室長の小塚雅之氏の3人がパネラーとして参加。司会進行を、ITmediaでもお馴染みのデジタルメディア評論家・麻倉怜士氏が務めるという豪華な顔ぶれでBDの現状と将来性が語られた。
冒頭、ソニー西谷氏がBDフォーマットの特徴や規格策定の現状を説明。レコーダー向けのBD-RE、ライトワンスのBD-R、パッケージ向けのBD-ROMと、いずれのフォーマットも順調に規格策定が進んでいることをアピールした。
「すべてのフォーマット策定が年内に決定して、いよいよ来年には商品が登場。話題のBD-ROMパッケージもすでにディスクの製造がスタートしている。BDの大きな特徴が、1層25Gバイト/2層50Gバイトという大容量性。そしてBDとDVD、BDとCDといったハイブリッド化ももちろん可能。ここで重要なのは、BDは片方の面からすべて再生できる点で、コンテンツベンダーは映画や音楽のレーベルなどをディスク面にしっかりとつけることができる。CD/DVD/BDというフォーマットが1枚に収まり、しかも片方面から再生できるという“使いやすさ”もBDのメリット」(西谷氏)
また西谷氏からは、BDA参加企業が9月現在で148社に拡大したことも明らかにされた。
“BDの夜明け”まで秒読み段階となった現在、単なる技術紹介ではなく、BDによってどんな素晴らしい世界が広がるのかというスタンスでディスカッションは進められた。
BDの最大の魅力は「ハイビジョン」――、とくれば“Hivision Lover”を自負するこの人の弁が冴えわたる。
麻倉氏は「デジタル放送のハイビジョンエアチェック、映画・音楽のコンテンツパッケージ、生撮りハイビジョンのアーカイブメディア、ゲーム/PCのプラットフォームと用途が幅広く、すべてが集合している」として、BDがあらゆるハイビジョンエンターテインメントの多様集合体となっている点を指摘する。
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