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「iPodのスタンスは変わらない」――米Apple幹部が語る“新iPod”インタビュー(1/2 ページ)

» 2005年10月13日 21時19分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ウワサ通りにビデオ対応となった新iPodのほか、カメラが内蔵されたiMac G5やiTunes 6などを発表したアップルコンピュータ。発表会にあわせて来日した、米Appleのスタン・イング氏(プロダクトマーケティング iPod担当ディレクター)とトム・ボーガー氏(ワールドワイド デスクトップ プロダクト マーケティング担当 シニアディレクター)に新製品の狙いや特徴などを聞いた。

photo 米Appleのスタン・イング氏(プロダクトマーケティング iPod担当ディレクター)

新しいiPodは“Music Experience”の拡大が狙い

――新しいiPodは30G/60Gバイトという大容量のHDDと、2.5インチのカラー液晶を搭載しながらも従来モデルより薄くなっています。どのようにしてスリム化を実現したのですか?

イング氏:回路を始め、すべてにおいて最適化を図ったのが最大の要因です。簡単なことではありませんでしたが、最適化を進めたために32ピンのDockコネクタも維持しながら2.5インチの液晶も搭載することができました。

photo 新iPod
photo 「すべてにおいて最適化を図った」という新iPod(左)。同じ30Gバイトの容量を持つiPod Photoと比較してもかなり薄い。ホールドスイッチとヘッドフォン端子の位置も変更されている

 上部のリモコン用コネクタは廃止しましたが、Apple Remote対応の新型Dock(Apple iPod Universal Dock)を用意しました。決してリモートコントロールという操作方法を犠牲にしているわけではありません。

――新旧製品の最大の違いは動画再生機能の搭載です。以前、ジョブズ氏は「iPodのサイズでは動画を十分に楽しむことはできない」と否定的な見解を示していましたが、その方針は変わったのですか?

イング氏:新しいiPodに搭載されている液晶は、これまでのiPodに搭載されたカラー液晶よりも明るく、野外をはじめとしたさまざまなロケーションでコンテンツを楽しめます。

photo 新iPodの液晶

 しかし、私たちは“いろいろな場所でさまざまなコンテンツを楽しむ”というのを第一に考えており、新しいiPodもビデオの再生だけに特化しているわけではありません。新製品は第5世代の「iPod」であり、音楽を楽しむこと――“Music Experience”を拡大する製品なのです。

――米国のiTunes Music Storeでは2000以上のミュージッククリップ(ビデオ)が用意され、テレビ番組の販売も開始されました。日本のiTMSではどうなるのでしょう。

イング氏:日本のiTMSでもミュージッククリップの提供は開始されました。どのくらいのペースで追加されるかなどの詳細は私にも分かりませんが、追加され続けることは確かです。

「Front Row」はiPodユーザーなら使えるようにデザインされている

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